変電所のお話-その7-

前回のその6までは一般的に屋外に設置されている機器を説明しました。今回は建物とその引き込み部分になります。

建物については時代がよく反映されます。古典的な建物の場合格好の模型題材となりますが、大都市ではその建物類は年々減ってきています。
こちらは古めかしい西武所沢変電所の建物。っといっても現在は関連会社の事務所になっているようで、機器更新のときに変電所建物としての役目は終えたようです。

こちらは上信電鉄福島変電所の建物です。こちらも古めかしい感じです。電気部門の詰所も兼ねているようです。
各機器の監視などのため、昭和40年代中頃までは大都市の変電所でも係員が常駐しており、明かり取りを兼ねた大型の窓が建物には設置されていました。

以前の整流装置には水銀整流器などが使用されていましたが、昭和40年代後半に入るとシリコン整流器などメンテナンスフリーの機器が多くなり、これらの機器類を安全に遠隔操作する技術が発達し、変電所は段々無人化されるようになりました。
変電所内に人が居ると何かの際に誤って閃絡事故をおこす事もあったようで、人命にも関わる事象でした。
変電所内部は様々な騒音を発する機器が多くあるため、住宅地などでは出来るだけ窓がない方が好ましいです。下の写真は山陽天満変電所です。ほとんど窓がありません。

下の写真はJR東日本の保土ヶ谷変電所です。こちらの変電所はほとんどの機器が屋内に設置されており、建物に窓がほとんどありません。

一番上の構成図では整流器は建物内とかいてありますが、そうでない場合もあります。下の写真で左側に変圧器があり、中央のキュービクルがシリコン整流器となっていて、右側の鉄柱に立ち上がった後建物内部に引き込まれています。JR西日本の倉敷変電所です。
ちなみに、東武鐘ヶ淵変電所も整流器は屋外にあります。

引き込み部です。

引き込み部は変圧器の後はトラフに埋められ、そのまま変電所建物へ入っていく場合と上の写真の様に立ち上げ配線され建物に入る場合と2通りあります。
下の写真はJR東海原変電所です。建物の壁に黒い点が何カ所かあり、おそらく以前は立ち上がり配線であったと思われます。現在はトラフにより配線されています。

トミックスの変電所建物は窓がちょっと多すぎる感じがし、大都市や住宅街などには向かないです。原変電所の建物と窓の雰囲気は似ているので、1,2カ所埋めるといい感じになると思います。
模型では配線を施さないのであれば、カトーの側溝を用いてトラフによる引き込みを想定した方が無難かと思います。
先日シキ1000Dの回送があったため大船駅に朝撮りに行きましたが、この時間上り1番に入ってくる東海道に被られるという事がわかり、こんな写真に。時間的に夏場しか撮れず、なんですが、ヘッポコ的にはシキ1000をじっくり撮りたいです。

さて、次回は最終回です。