無轍差転轍器

ヘッポコ工場長は模型のウデのみならず、写真のウデもイマイチなのでデジカメはコンデジ派です。今年に入ってからキャノンのS100とSX40HSの2つに買い換えました。SX40HSは望遠が売りで、その望遠たるもの、ものすごいです。以前の我が家にあったコンデジでは撮れなかったアングルも撮れるようになりました。
望遠性能のテストを兼ねてヘッポコの家からさほど遠くない、京急六浦駅の無轍差転轍器を撮りに。

金沢八景駅に隣接する総合車両製作所から車両搬出のため、金沢八景―神武寺駅間は3線軌道となっています。六浦駅では狭軌と標準軌の共通レールがホーム側にあるため、狭軌車両輸送の際軌道中心がホーム側にずれてしまいます。そのため長年、六浦駅上りホームはホームと京急の車両の間がものすごく開いていました。
それを解消するため、六浦駅の前後に無轍差転轍器を設け、狭軌車両の軌道中心がずれるように改善されました。

連動装置が新設された六浦駅は出発、場内信号機が新設されました。転轍器類は金沢文庫駅で管理されています。

神武寺駅手前まで続く3線軌道。

神武寺駅にある米軍専用改札口など、日本の中のアメリカ。こういうのも模型であると面白いかもしれません。



変電所のお話-その7-

前回のその6までは一般的に屋外に設置されている機器を説明しました。今回は建物とその引き込み部分になります。

建物については時代がよく反映されます。古典的な建物の場合格好の模型題材となりますが、大都市ではその建物類は年々減ってきています。
こちらは古めかしい西武所沢変電所の建物。っといっても現在は関連会社の事務所になっているようで、機器更新のときに変電所建物としての役目は終えたようです。

こちらは上信電鉄福島変電所の建物です。こちらも古めかしい感じです。電気部門の詰所も兼ねているようです。
各機器の監視などのため、昭和40年代中頃までは大都市の変電所でも係員が常駐しており、明かり取りを兼ねた大型の窓が建物には設置されていました。

以前の整流装置には水銀整流器などが使用されていましたが、昭和40年代後半に入るとシリコン整流器などメンテナンスフリーの機器が多くなり、これらの機器類を安全に遠隔操作する技術が発達し、変電所は段々無人化されるようになりました。
変電所内に人が居ると何かの際に誤って閃絡事故をおこす事もあったようで、人命にも関わる事象でした。
変電所内部は様々な騒音を発する機器が多くあるため、住宅地などでは出来るだけ窓がない方が好ましいです。下の写真は山陽天満変電所です。ほとんど窓がありません。

下の写真はJR東日本の保土ヶ谷変電所です。こちらの変電所はほとんどの機器が屋内に設置されており、建物に窓がほとんどありません。

一番上の構成図では整流器は建物内とかいてありますが、そうでない場合もあります。下の写真で左側に変圧器があり、中央のキュービクルがシリコン整流器となっていて、右側の鉄柱に立ち上がった後建物内部に引き込まれています。JR西日本の倉敷変電所です。
ちなみに、東武鐘ヶ淵変電所も整流器は屋外にあります。

引き込み部です。

引き込み部は変圧器の後はトラフに埋められ、そのまま変電所建物へ入っていく場合と上の写真の様に立ち上げ配線され建物に入る場合と2通りあります。
下の写真はJR東海原変電所です。建物の壁に黒い点が何カ所かあり、おそらく以前は立ち上がり配線であったと思われます。現在はトラフにより配線されています。

トミックスの変電所建物は窓がちょっと多すぎる感じがし、大都市や住宅街などには向かないです。原変電所の建物と窓の雰囲気は似ているので、1,2カ所埋めるといい感じになると思います。
模型では配線を施さないのであれば、カトーの側溝を用いてトラフによる引き込みを想定した方が無難かと思います。
先日シキ1000Dの回送があったため大船駅に朝撮りに行きましたが、この時間上り1番に入ってくる東海道に被られるという事がわかり、こんな写真に。時間的に夏場しか撮れず、なんですが、ヘッポコ的にはシキ1000をじっくり撮りたいです。

さて、次回は最終回です。

変電所のお話-その6-

変圧器はメインな機器だけにちょっとお話が長引いてしまいました。このブログのサブタイトルが「模型を作るための備忘録」なので模型への応用も。
さて、前回も出た下の写真をまた見てください。

知り合いからもよく「シキのトランスって形変だよね」っと聞かれます。上の写真の本体とマイクロのシキ800の積み荷を見比べてみてください。
ちなみにこのシキは今年台湾で購入してきたヤツです。

おわかり頂けましたか?シキに積まれているのは本体部分のみなんです。ブッシングやコンサベータ、そして特徴的なラジエターは後付けなんです。
変圧器の形状を思い浮かべて一番印象に残るのがラジエターなので、シキの積荷の形状が結びつかないんです。っと言うわけで、シキ1000に付いている積荷はちょっと怪しいです。
ちなみに、実物は崇拝する神のこちらのページをご覧ください。しかしいいなぁ・・・
トミックスの変圧器を見てみます。たぶんこれがそうだと思いますが、なんとなくそんな感じです。左側の半円部分はコンサベータをイメージしていると思います。

ブッシングについてはなぜか1つだけ向きが変です。三相交流なので1次側(高圧側)に3個1セットでブッシングがついているのは「その5」に出てくる写真でもおわかり頂けるかと思います。

ってなわけで、穴を瞬接で埋めたあと、ブッシング用の1ミリの穴を真ん中に開け直しました。

完成です。このブログ「その筋」の方にも見て頂いているようなので、ガレージキットから変電所機器が出ないかと期待してます。

トミックスの変圧器と思われる部品のブッシングの並びですが、一つだけ心当たりのある機器があります。それが下の写真です。ちなみに、何度も出てきているJR東海の原変電所です。

下の写真は山陽天満変電所です。ブッシングの並びおわかり頂けますか?なんとなくトミックスの変圧器に似通う物があります。
これは計器用変圧器と言い、大抵は遮断器の直後に設置されます。計器用とは家庭で言う積算電力計と思って頂いて結構で、この変圧器の後ろに電力会社のメーターが付いて、電気料金を算定されるという意味合いです。

あと2回で終了します。
もう少しお付き合いを・・・
-つづく-