JR東日本215系【車体編】

JR東日本215系電車

東海道線の混雑緩和を目的として開発された215系電車はその性格上通勤ライナー用として朝、夕間ラッシュ時に多く運転されています。関東圏に住んでいても215系に乗ったことのある人は少ないと思います。かつては湘南新宿ラインなどで昼間の通常運用に付いていた時期もありました。とは言え、東海道筋を通勤時間帯にしか走らないため、乗りにくい列車の1つです。

215系電車の形式

車両は運用上10両固定編成となっていますが、界磁添加励磁制御で4M6Tという今思えば挑戦とはいえ、1990年代前半にはちょっと無茶ぶりとも思えるスペックでデビューしました。東海道線を走ることを目的としていたため、4、5号車はグリーン車となっています。

クモハ215形

215系は両先頭車から2両が電動車になっていて、1号車10号車はデッキレベルより下の1階席が存在しません。クモハ215形はパンタを載せています。

▲10号車は100番台を名乗っています.

性能面では211系を基本とした作りで、床下の主抵抗器や断流器が今となってはクラシカルな感じです。台枠上の床にも機器が搭載されていて点検、搬出入用のふさぎ板が見えます。

▲1号車側.

最近になって、違いがわかってきました。

パンタはPS24を搭載しており、中央東線を難なく走行できるため、休日波動時はホリデー快速ビューやまなしなどでも使用されていました。

モハ214形

クモハ215形とユニットを組む車両で、2、9号車に割り当てられています。電動車ですが、1、10号車と違い1階席が設けられています。

▲2号車

1、2号車と9、10号車は同じ作りの車両を180度反転させて組成されています。

▲9号車

サハ215形

3、8号車を構成する車両です。サハ215形にはトイレが装備されています。洋式、小便器、洗面所と新幹線並みの豪華なサニタリーになっています。

DDLのロゴのある場所がトイレ部分で、トイレの分座席定員が減っています。第2編成以降はATC搭載によるジャンパ線増設に伴い、番台区分が行われています。

DDLは愛称のダブルデッカーライナーの略です。

サハ214形

6、7号車に組み込まれているサハ214形。外観上はモハ214形と同じです。

サロ214形

4号車のグリーン車で車掌室があります。211系から始まった2階建てグリーンとほぼ同じ形です。

G車としては見慣れた感じです。

サロ215形

5号車を構成しているサロ215形でトイレを備えています。コチラもDDLのロゴのある場所がトイレとなっています。


まとめ

バブル全盛期、通勤圏は郊外へ郊外へと移動し、長距離着席率を上げるためにデビューした車両でした。しかし、コロナ禍のため通勤する必要が無くなってきた時代に引退するのは、何となく皮肉に感じます。

ライナーとして走行するのはあと10日間です。緊急事態宣言中で乗車するのは難しいですが、乗車される場合は密に注意してお願いします。

着席定員としては日本一を誇る車内を、次回ご紹介します。

奥沢駅改良工事-その5-

東急目黒線の相鉄乗り入れ8両化に伴い(現在は6両運転)、駅に付属する車庫の留置線改良および、上り線の速達性を高めるための待避線設置工事が行われています。工事の進捗状況を逐次書いていきます。工事の竣工は2023年度を予定。

奥沢駅改良工事

2021年2月末に工事状況をみにいってきました。この間のトピックは上りホームの移設と待避線用の分岐器挿入が始まっていました。前回はコチラをご覧ください。

上りホーム移設

上りホームは1月末に今までの場所より、50m程目黒方に移設されていました。おそらく待避線用の分岐器を入れるのに支障するからと思われますが、もともと一番後ろに改札口があった駅なので利用客にはダッシュ距離がなくなりちょっと痛手です。

日吉方から目黒方へホームが移設されているのがわかります。TASC運転のトランスポンダ地上子の周りだけ、覆工板がないのがわかります。

移設されたホームの幅員は狭いままです。

上りホームのポイントが入る部分のホーム擁壁は撤去作業が始まっています。

新3番線はホームスラブ(ホーム床板)の設置と軌道工事が進んでいます。

下りホームは2両分の延伸工事が行われています。ホーム基礎の建込が終わりホームスラブの設置が終わっています。

駅舎周り

A口周りは特に変化がありませんでしたが、連絡通路となる鉄骨の建て方がはじまっていました。

右側本屋駅ビル内の階段を共用して上りホームへ渡る構造のため、ちょうど3階の位置に連絡通路が当たるようになっています。

前回見たこの部分は、鋼管柱の基礎を作っていたことがわかります。

▲2020.10撮影

本屋口駅舎は階段部分の工事が行われていますが、シートで覆われていてよくわかりません。しかし、昭和40年代後半の目蒲線の駅に「よくこんな立派な駅ビルを作ったなぁ」と感じます。


奥沢車庫

留置線の工事は一旦落ち着いた感じです。写真奥が目黒方ですが、留置車両は出庫用ATCの関係で目黒方に寄せて留置されています。手前側に2両分の有効長が捻出できています。

8番線に3020系のトップナンバーが留置されていました。コチラの車両はまだ6両編成ですが、今後の増備が楽しみです。


Vトラスビームが上手く抜けなかったのでごちゃごちゃした写真ですが、線路は右側から、車庫線、工事中の待避線、列車の居るところが上り本線です。

目黒方を見たところです。左手前に3番線合流用ポイントのクロッシング部分が用意されています。

合流用ポイントのトングレール部分は挿入されていました。

またレポートしたいと思います。

原宿団地高架水槽

コロナ禍であまり出かけられませんが、ヘッポコ工場長の家からほど近いところに、特徴的な給水塔があって前々から気になっていたので散歩がてら見に行ってきました。

高架水槽(給水塔)

1960年代後半から1970年代前半に建設された団地内に水を供給するため、高いところに水槽を建設し各戸への給水を行う施設です。給水は位置エネルギーを利用しているため、谷底にある建物へも容易に給水できますが、現在では給水技術が発達したため団地でもこのような水槽を設ける必要がありません。

原宿団地高架水槽

かつては国道1号線の渋滞名所、原宿の交差点近くにある団地に高架水槽がありました。水槽は目立つので、ココを目指しながら近づくと、厳重に管理された立入禁止の看板が目にはいりました。水道事業設備なので管理者は神奈川県になっています。東急コミュニティーは管理業務を委託されているモノと思われます。

下から見上げるとUFOが刺さっているような感じで、上海の東方明珠電視塔にも見えます。横浜の上海?

基礎の部分を見てみたかったのですが、よく見えませんでした。給水用と思われるパイプが沢山でています。


銘板がありました。昭和46年竣工と言うことで50年前の水槽になります。

昭和な団地を再現するにはこの設備があった方が良さそうです。GMの公団住宅などがまさにそれです。高架水槽については、国内メーカーからはでていませんが、海外製キットでは給水塔として発売されています。