現場扱い転てつ器とは?

信号場モジュールで設定のある現場扱いの転てつ器(ポイント)について解説します。広義的には手動ポイントのうち、ポイント横またはその付近でしか操作できないものを指すので、中小民鉄の車庫にあるポイントは全て現場扱いに当たりますが、それらはあまり現場扱いとはいいません。どちらかと言えば、非連動と言う言い方です。現場扱いとは連動装置(信号扱い所)からみて、現地で操作が必要なものを指していて、ココでもそれを指します。

ポイントや信号機は通常信号扱い所という場所から集中して操作することが出来ます。よく言えば、駅長さんがお茶を飲みながら(※比喩です)座った場所から遠い場所にあるポイントや信号機をリモートコントロール出来るという事です。しかし、本線から遠いポイントや滅多に使わないポイントなどは、信号扱い所から操作しない、現場扱い転てつ器(ポイント)とする場合が多々あります。

一番の理由は経済的な理由です。電気転てつ機そのものの価格や維持費がかかるため、頻度の高くないポイントを現場扱いにする傾向があります。そのほかに頻度がそこそこで一時的に設置した場合や、近い将来改良工事計画がある場合などもこれに当たります。とは言え、鉄道事業者の考え方に寄るところが大きいので、1年に一度しか使わないような箇所でも「手動は危ない」という考えであれば電気転てつ機を設置します。でも、こう言う考え方は大手だけですね。

下の写真は佐久間レールパークにあった中部天竜駅の連動盤です。1番上と1番下にある材料線と書かれた箇所に分岐する33、34というポイントに電気鎖錠器付きの現場扱いポイントが見えます。材料線というのは大さっばに言ってしまえばモーターカーの基地です。車両の出入り頻度は高くないのと、モーターカーは信号運転しない割合も多いので現場扱いで充分と思われます。

コチラは我が信号場の連動盤です。71と言うポイントが現場扱いになっています。この書き方だと上下線間に転てつテコが有る標記になっているので書き換えなければなりません。っと思って3年ほど経ってます。

転換器の種類

リバー式転てつ転換器(電気鎖錠器付)

一番良く用いられているのがリバー式と呼ばれるテコ形状のタイプです。 転換器から出たロッドの先にあるクランクなどでポイントを密着させるため、密着状態の信頼度が高く、電気鎖錠器が付いているため転換機自体にも機械的にロックがかかり保安度が高い転換器です。
転換するときは下にある丸い突起を踏みながら、レバーのハの字に開いた部分のラッチを握らないと転換することができません。

現場扱いの転てつ器は渡り線など2箇所同時に動かすタイプ(2動といいます)はかなりの重労働で、普段使わないポイントだと、イザ動かそうとするとロッドなどにサビが回っていて中々動きません。まさにテコでも動かないという感じです。伊豆箱根の小田原駅の授受線です。JRの方が3人がかりでやっとこさです。

エイッ、ヤーッって感じです。

一度動くと当たりが付くので、定位に戻すときは少し楽です.

コチラはちょっと古くて東急長津田駅の授受線です。現在は電気転てつ機になったので現場扱いではなくなりましたが、やはり大変そうでした。

ウォーッて唸りそうです。民鉄の非常渡り線にこの電気鎖錠器付のリバー式が多いです。

このリバー式転てつ転換器ですが、色は殆どが黒です。電気転てつ機だとグレーの事業者もいますがリバー式に関してはまず黒です。ただし、場所によっては定位反位を示すため半分だけ白色に塗られている場合があります。

同じ鉄道事業者でも地域や駅によって塗り分けを替える措置を行っている場合があります。白く塗り分けた場合、白色側が定位になるようになります。レバーの部分が白色側に倒れていれば定位で有ることが分かります。

電気鎖錠器付の連動盤上の記号は転換器風なシンボルを塗りつぶしたものになります。

リバー式転てつ転換器(電気鎖錠器なし)

現場扱いの転換器としてはオーソドックスなタイプです。前述の電気鎖錠器がない分信頼度は若干低下しますが、ポイントは同じようにクランクなどで密着が保てるので自然転換などは発生しません。

コチラも塗装は黒一色が一般的ですが、定位反位を区別するために半分だけ白く塗ることがあります。その時はテコガイドのフレームだけ白く塗られます。

連動盤面では電気鎖錠器がないリバー式転換器は、右上の18番ポイントのように半丸の中身は塗りつぶさないようなルールがあります。

ハンドル式転換器

リバー式転換器だとレールが重たいため50キロレールまでしか動かせません。60キロレール以上だとこのハンドル式転換器を採用します。上のレバーロックを持ち上げて、あとはハンドルをグルグル回すだけなので、上の写真のように3人がかりの仕事が片手ですみます。前述のリバー式とこのハンドル式は機械的にも鎖錠ができるため、本線線路上に用いることが出来る現場扱い転てつ転換器になります。原宿の宮廷ホームもこのタイプの転換器です。

ポイントリバーS形

JR・国鉄の側線で多く用いられるタイプでレバーを右、左に倒すことによりポイントを転換できます。民鉄でも車庫内で採用している事業者も多いです。

軌間内にある亀の子状の箱の中にクランクがはいっており、レールを定位、反位に密着させることが出来ます。また、スプリングがはいっているため、ポイントを逆方向から割り出してもポイントが壊れない構造になっていて、故に車庫内で多く採用されています。
転換器上の丸い標識は定位反位を示す標識になっていて、大抵はこの白と黒のタイプです。線路方向から見たとき上半分が白だと定位、下半分だと反位を意味します。 レーバーを倒すと標識はクルリと90°回ります。

転換器の上に付く標識は国鉄・JRでは上の写真のように白黒ですが、民鉄ではこの様に転てつ器標識と組み合わせることもあります。丸標識のはトミックスのポイントに入っており、KATOも貨物ホームセットの中にそれらしいモノが入っています。

密着に対する信頼度が高いため、静岡鉄道などでは本線の渡り線にこの転換器が採用されています。

標識付転換器

コチラは転換器に転てつ器標識が取り付けられていて、標識下の斜めに下がっているハンドルを持ち上げて90°回すとポイントを切り換えることが出来る転換器です。

大きさ(高さ)は大中小とあり、上の写真は小型でコチラは大型かな?転換器は構造的にロックすることができるので、簡易線区や中小私鉄に用いられる事が多いです。ポイントの密着は転換器の構造に頼る部分があります。
右下にある黒い四角い箱は回路制御器というモノで、転換器を機械的にロックすることは出来ませんが、ポイントの定位反位の状態を検知することにより、信号機とこのポイントに対して連動条件設けることができます。

錘付転換器(通称ダルマ)

転てつ転換器の中では一番簡単な構造になり、ポイントの密着は丸くなっている鋳物の錘のみ頼ったもので、一番信頼度が低い転換器です。ポイントの密着についても錘に頼っているだけです。希にレバー付け根にピンを差し込み構造的にロックするモノもありますが、完全な鎖錠とはいえません。
この転換器のルールとしては、一番信頼度が低いため本線上では使いません。また、機関車など重量のある車両が頻繁に出入りする車庫線でも使用することはありません。過去に、機関車の重みで先端軌条からの浮き上がりで、錘が跳ね上がりポイントが切り替わってしまったことがありました。

コチラのタイプは同じダルマでも上のモノと比べると旧式のもので、外側のクランクを介さないタイプです。また、レバーの付け根にピンを入れて信号南京錠でロックされています。
塗装は黒一色ですが錘の半分を白く塗り、白が上の時は定位、黒が上の時は反位であることが分かるようになっています。白部分にポイント番号を書く事が多いです。

コチラの錘付き転換機はは回路制御器が付属していて他の信号機に連動条件を渡しています。恐らくコレが定位で無いと信号が赤から切り替わらない条件だと思います。

連動盤上では回路制御器のみが表示され安全ピンのような記号です。丸部分が塗りつぶしてあるのは、電気鎖錠器付きのと何となく似ているのが分かります。

回路制御器

最後に回路制御器について。中にはマイクロスイッチのようなモノが入っていて、ポイントの先端軌条から延びたロッドと繋がっています。それにより、ポイントが定位か反位かを判断して信号扱い所の連動盤上に表示させたり、関連する信号機に信号を出すかどうかの条件を付帯させる機械です。
副本線などで正当方向にある錘付き転換器には、この回路制御器を取り付ける事になっています。

回路制御器と言ってもピンこないですが、安全側線の通称ねずみとりも付け根が回路制御器になっています。コチラはロッド類はなくハシゴ上のものが内部接点と繋がっています。

ねずみとりの場合、連動盤上では塗りつぶし逆三角形にEMと言う記号のもと、赤ランプと共に表示されます。

信号扱い所(連動盤面)

コチラの連動盤は左端に11番というポイントがありますが、このポイントは電気転てつ機になっていて、写真中央に11と書かれたツマミがありコレが電気転てつ機の単独テコです。上のランプは青が定位、オレンジが反位の状態で有ることを示します。
右端にある12番というポイントは現場扱いの記号があります。そして塗りつぶしてあるので電気鎖錠器付きです。12番は現場扱いなので単独テコが無く連動盤(信号扱い所)からは動かせませんが、電気鎖錠器から条件をもらっているため、ポイントが定位か反位かが分かるランプが連動盤上に付いています。折れ曲がった安全ピンのマークは転てつ機標識を示します。ちょっとゴチャゴチャしてきましたがコレを乗り切れば、信号ツウになれます。

定位反位の表示は必ずしも必要では無く、コチラの連動盤ではランプが1つだけになっています。11番は単独テコがあるので電気転てつ機であることが分かり、12,13番はシンボルマークからも電気鎖錠器付現場扱いのポイントであることが分かります。ランプは定位であるときに緑色のランプが点灯するのみで、消えていれば反位でを意味します。

今回は模型を作るときの選択基準としてまとめてみました。実際には色々な制約があるので、何れ解説したいと思います。モジュールで地方の駅を作るとき、本線以外を手動ポイントにすると雰囲気が出てくると思います。

線閉テコ

線閉(せんぺい)とは線路閉鎖を意味しますが、模型運転中に信号場付近の運転で本線運転士の権限とは別に入換運転を行うときに、線閉テコを操作して、信号場から遠隔操作するための回路を増設します。

キースイッチのテコで操作します。

ちょっと違いますが、こんなイメージです。新幹線なんかでは停車場内で夜間作業をやるとき線閉テコを反位にして作業を開始します。

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信号機テコを使う

当社の信号場モジュールには71という現場扱い(の設定)の転てつ器があります。モーターカーの基地に行く線路ですが、現場扱いなので連動盤とは独立させてKATOのポイントスイッチで転換させています。

実物だと鎖錠器と言うものを付けて信号機と連動していますが、モジュールではまだ連動していないため、たまに取り違いや割り込みによるショートを起こしてしまいます。連動条件を組み込むため、形状は違いますがトミックスの信号機テコを通販で購入してみました。

信号機テコだけではスイッチ機能がないためポイントコントロールボックスも併せて購入します。 コントロールボックスは市場から消え始めているようで、 セット売りを注文しました。

こんなに沢山要らなくも無いのですが、何れ使うかもしれませんし取っておくことにします。

この信号機テコとコントロールボックスで漸く模型で使えます。トミーテックの方に伺ったところ1/12シリーズは終了したとのことで再販は望み薄と思われます。

こんな感じです。電源装置からして用意しないとダメです。

実際の信号機テコはこんな感じで並んでいて、操作できる信号機は腕木式信号機になります。こうやって見ると模型も良く出来ています。奥の2本と手前から2,3番目のテコは転てつテコでコレをやりたいわけです。信号機テコはテコ(棒)を持って倒すだけですが、転てつテコは二股になっているラッチと呼ばれる部分を握らないと動かないようになっています。写真のは集中テコ式と言って1箇所で信号機とポイントを操作できるモノです。

今回やろうとしているのは現場扱いのテコ(転てつ器)なので信号機類は関係無く、ポイントのそばにあるこう言うテコの設定です。テコというか転てつ転換器でリバー式転換器と言います。

コチラは上のリバー式と同じですがちょっと進化したもので、黒い四角いモノは鎖錠装置です。電気鎖錠器付き転換器といいます。電磁石が入っていて、テコ根元にある丸い突起を踏みながらでないと解錠出来ない仕組みになっていて、その他電磁石には他の信号機やポイントとの連動条件を組み入れることができ、本線上で使える現場扱いテコです。
リバー式転換器の模型はアメリカ製のモノがありましたが、現在は廃業してしまったようです。

現場扱いの転てつ器は信号扱所からは操作できないため、連動盤の上ではこの様なシンボルマークと共に、定位か反位かが分かる表示灯が取り付けられているだけです。ココでは、51の転てつ器は電気転てつ機ですが、52と53は現場扱いの転てつ器になります。
シンボルマーク何となく転換器っぽいから分かりますね。ちなみに、半円部分が塗りつぶされていると電気鎖錠器付きで,塗りつぶしが無く輪郭のみだと電気鎖錠器無しという約束事があります。