ネットやXで車止めについての解説を散見しますが、国鉄・JRの設置規程なのに民鉄の車止めの写真で第1種、第2種と解説していたり、そもそも規定と規程がゴチャゴチャだったりと、基本的に素人解説が多いので今回約20年ぶりに記事を再編しました。また、当時書くとパクられる事案があり、当時では古い内容で記載したら案の定それが独り歩きしている現状もあり今回再編した次第であります。
基本は、模型製作に役立つ目線で架空の路線を作るときに参考となるようにしています。
車止めの種類

車止めの種類については、現在JRの在来線用は以下のとおり4種類5形状が制定されていています。以前は新幹線用も一緒に制定されていましたが、新幹線は現在別分類となっています。第3種のI、IIはローマ数字となっていますが、JR内でも事業者によっては旧制の甲、乙を使用しています。

基本的にこの基準規程は国鉄時代を踏襲しており、JR以外の民鉄では当てはまらないこともあります。よって民鉄の車止めで同形状のものを第1種、第2種と分類するのは正しくなく、事業者によっては同様の制定をしていますが、形状が同じでも独自に形式〇〇などとして制定している事業者もあります。
写真については、全てJR線に存在する車止めのみにしてあり、民鉄のものは都度記載しています。
第1種車止め
形状としては砂利盛りだけの車止めで、安全側線、スイッチバックの終端、必要と認める場所に設置と規程されています。砂利盛りの長さが決められていて、勾配にもよりますが基本は砂利盛りの全長が20mとなりかなりの用地を必要とします。

よって、砂利盛りでもこの写真の車止めを第1種かというと、砂利盛り長が設置基準を満たしていません。ただし、5mの砂利盛り長で車止めとみなすことができるため、進入速度を考慮し準用という形になります。

第2種車止め
本線の終端、側線の終端に設置という事で、模型でも一番なじみのある車止めです。古レールを加工したもので、連結器が当たる部材が付いていて、ある程度の過走、逸走を想定した作りになっています。
積車換算にもよりますが1~2Km/hの列車、車両を受け止めるもので、衝突速度が5㎞/h以上だと車止め、車両共に損害が生じます。模型でもカプラ―部分が真ん中の四角いところにあたるように作られています。

細かい部分については時代、線路条件、工場やロットなどによって差異が出ることもあるようですが、おおむねこの形状です。

古レールの加工に手間がかかるため、近年では最初からレールをこのように加工した新品レールが用いられます。

第2種として制定されていますが、おそらく国鉄時代を生き抜いたと思われる車止めでもこのような形態のもあります。当時の局長の判断でこのようになったものと思われます。

民鉄の古レール車止め
第2種ではありませんが民鉄で古レールを使った車止めだと、このような上窄みな形状だったり事業者により形状は様々です。

コチラは京急ですが、両レールを止める部材は枕木を短く切ったような材木になっています。

東急ではカプラーが当たるところも古レールでできており、だいたいこの形状です。

事業者ごとに研究するのも面白いです。
その2へつづく