停車場配線計画【その1】

模型で停車場(駅)を作るにはまず配線を決めなければなりません。自分の予算やレイアウト面積、思い出の風景など色々あると思います。そのなかで停車場を製作した場合、実際の鉄道のルールに倣い番線や信号装置、信号番号など模型でどのように決めていくか何回かに分けて説明していきます。

図面上のルール

最初に図面を書くのは実物、模型も一緒だと思いまが、きっちりとPCで作るのも、手書きでラフな図面を書くのもヨシです。鉄道の図面を書くのにはおおむねルールがあり、線路平面図など起点方を左側にするというのが昭和初期からルールにあります。なので、自分のレイアウトでどっちが起点側かを決めておく必要があると思います。車両をレールに載せるときの向きのこだわりなどイメージがあると思います。現在では左側が起点は、大原則というほどでもありません。
信号を操作する連動装置の盤面は、左側起点の事業者はそのようにし、右側起点の場合は盤面も右側起点にしています。

東武東上線のように途中に0キロポストなどがある場合や、関西の事業者のようにどっちが「京」なの?など地理学的な場合は必ずしもそうとは限りませんし、便宜上起点が右に来る場合もありますが基本は左側が起点です。車扱いなどがあり盤面の向きと合っていないと現地で困るなど、現場に合わせた対応を行うことも当然あります。岳南鉄道の連動装置の盤面で、コチラの駅は右側に吉原駅が来ています。お隣比奈駅も右側が吉原駅でした。

番線を決める

駅を作ったら番線を決めなければなりません。決めなくても別にいいのですが、本格的にやりたいときは付けた方が良いと思います。線路番線の決め方については、駅長室に近い方から1番線というのが以前の一般的なルールでした。しかし、信号装置がCTCなどの集中制御方式の場合、把握しやすいように下り線側から1番線(若番)を振るというのが今時のルールになっています。他社線と共同使用駅の場合は、他社が1番線から名乗っている場合は、その続番を振る場合があります。横浜駅や長津田駅など。

横浜駅は京急が1,2番線を使用し、3~10番線をJRが使用しています。相鉄線、東急、市営地下鉄は別に1番から割り振っています。

模型にありそうなこの駅で、今後約束事を含めて図面を完成させていきたいと思います。

車止めの種類-その1-【実物講座】

ネットやXで車止めについての解説を散見しますが、国鉄・JRの設置規程なのに民鉄の車止めの写真で第1種、第2種と解説していたり、そもそも規定と規程がゴチャゴチャだったりと、基本的に素人解説が多いので今回約20年ぶりに記事を再編しました。また、当時書くとパクられる事案があり、当時では古い内容で記載したら案の定それが独り歩きしている現状もあり今回再編した次第であります。
基本は、模型製作に役立つ目線で架空の路線を作るときに参考となるようにしています。

車止めの種類

車止めの種類については、現在JRの在来線用は以下のとおり4種類5形状が制定されていています。以前は新幹線用も一緒に制定されていましたが、新幹線は現在別分類となっています。第3種のI、IIはローマ数字となっていますが、JR内でも事業者によっては旧制の甲、乙を使用しています。


基本的にこの基準規程は国鉄時代を踏襲しており、JR以外の民鉄では当てはまらないこともあります。よって民鉄の車止めで同形状のものを第1種、第2種と分類するのは正しくなく、事業者によっては同様の制定をしていますが、形状が同じでも独自に形式〇〇などとして制定している事業者もあります。
写真については、全てJR線に存在する車止めのみにしてあり、民鉄のものは都度記載しています。

第1種車止め

形状としては砂利盛りだけの車止めで、安全側線、スイッチバックの終端、必要と認める場所に設置と規程されています。砂利盛りの長さが決められていて、勾配にもよりますが基本は砂利盛りの全長が20mとなりかなりの用地を必要とします。

よって、砂利盛りでもこの写真の車止めを第1種かというと、砂利盛り長が設置基準を満たしていません。ただし、5mの砂利盛り長で車止めとみなすことができるため、進入速度を考慮し準用という形になります。

第2種車止め

本線の終端、側線の終端に設置という事で、模型でも一番なじみのある車止めです。古レールを加工したもので、連結器が当たる部材が付いていて、ある程度の過走、逸走を想定した作りになっています。
積車換算にもよりますが1~2Km/hの列車、車両を受け止めるもので、衝突速度が5㎞/h以上だと車止め、車両共に損害が生じます。模型でもカプラ―部分が真ん中の四角いところにあたるように作られています。

細かい部分については時代、線路条件、工場やロットなどによって差異が出ることもあるようですが、おおむねこの形状です。

古レールの加工に手間がかかるため、近年では最初からレールをこのように加工した新品レールが用いられます。

第2種として制定されていますが、おそらく国鉄時代を生き抜いたと思われる車止めでもこのような形態のもあります。当時の局長の判断でこのようになったものと思われます。

民鉄の古レール車止め

第2種ではありませんが民鉄で古レールを使った車止めだと、このような上窄みな形状だったり事業者により形状は様々です。

コチラは京急ですが、両レールを止める部材は枕木を短く切ったような材木になっています。

東急ではカプラーが当たるところも古レールでできており、だいたいこの形状です。

事業者ごとに研究するのも面白いです。

その2へつづく