今年も未成線

首都圏地下の未成線

なくなるものばかりを追いかけてもつまらないので、昨年に続いて今年は地下編です。
本来の未成線との意味合いは違いますがここでは総称的に未成線にしています。真新しい副都心線の渋谷駅から。現在横浜方向は仮壁で覆われていますが、3年後にはこの壁の向こう側が東横線と繋がります。
両脇の将来副本線となる部分に列車が出入りしているため、ここは砂利盛りの車止めがあります。

▲直ぐ撤去できる仕様になっています
▲将来の本線ですが,コチラは未供用線路なので車止めがありません.

続いて同じく東京メトロ半蔵門線押上駅です。半蔵門線は都市計画決定に基づく路線において第11号線として渋谷-蛎殻町間として建設された路線です。1978年に青山一丁目駅まで開業し最終的には、松戸駅までの路線延長が決定されています。

現在の終点は2003年に開業した押上までとなっていますが、押上駅の先は80mほどまだ線路が延びていて、渋谷方面からの線路をくぐる所まで一体構造で施工されています。

▲橋りょう枕木による車輪止めはありますが,車止めの形状はわかりません.

同じく半蔵門線ですが、こちらは住吉駅です。ここは上下2階建てのホームになっていて島式ホームの構造になってます。

島式ホームと言っても待避などが行える構造ではなく反対側は車止めで終わってます。日中は車両の留置に使用されていますが、こちら側の線路は将来有楽町線と接続するための線路です。豊洲駅から線路延伸の予定があり、有楽町線はこの先半蔵門線と線路を供用して、四つ木から東武野田線の野田駅まで延伸する答申が出ています。

さて、東京メトロの最後は銀座線です。ここは終点浅草駅ですが、ホームの端から更に150m程線路が延びています。現在は折返設備として引上線の形態になっており、主に朝間ラッシュ時に使用されています。ココはかつて銀座線の三ノ輪延長計画があり、その名残のような形態の引上線です。現在は答申から外れているので延伸の予定はなさそうです。

今度は横浜市営地下鉄です。昨年開通したグリーンラインこと横浜市営地下鉄4号線ですが、こちらも答申では最終的に鶴見駅までの延伸が計画されています。

この先は慶応大学地下にある旧日本陸軍の施設が邪魔になるのでしょうか・・・延伸されれば、祐天寺と鶴見のリトルジャパンが乗換1回でハシゴに便利です。

続いて同じく横浜市営地下鉄の関内駅です。この駅も半蔵門線住吉駅と同じように2階建てでそれぞれ島式ホームが設けられた駅です。同じように本線で無い側は留置線として使用されていますが、戸塚方面の線路は数年前に撤去され、ホーム拡幅のスペースに転用されました。

この線路は、計画当初本牧方面の路線と繋がる計画で用意されていた線路で、計画は六会-上大岡-関内の1号線と本牧-関内-新横浜-勝田の3号線となってココ関内駅が接続駅の予定でした。現在は本牧方面の計画は消えて、1号線と3号線をニコイチにして営
業されています。その後みなとみらい線の開業により、本牧方面の計画は完全に消えてしまいしました。

で、今度はその横浜高速鉄道みなとみらい線の終点元町・中華街駅です。当初はJR線が乗り入れてくる計画などもありましたが、最終的には東急東横線との乗り入れになり、東横線の全列車が乗り入れて来ます。

元町・中華街駅からは答申により横浜環状線構想で、グリーンラインの中山駅まで延伸が計画されています。グリーンラインとみなとみらい線は集電方式と軌間がことなりますが、みなとみらい線としては根岸まで延伸予定で開業直前に元町・中華街駅付近にも変電所が設置されました。
ちなみに、みなとみらい線とほぼ平行して100mほど海側に、自動車専用トンネルがこの鉄道工事と同時期に行われました。横浜~本牧までのトンネルですが、未だに未供用道路となってます。

ちょっと場所を戻り先ほどの日吉駅です。こちらは目黒線の方の日吉
駅ですが、現在は地上に引上線と車止めが設置されています。答申で
この先東部方面線の延伸が決定し全区間地下で新横浜駅までの工
事が予定されています。
東部方面線では新横浜の先は、羽沢貨物駅を経由し相鉄線西谷駅で
相鉄線と接続します。ちなみに羽沢駅ではJR線とも線路が繋がります。

▲シーサスの先辺りから下り勾配で地下へ潜ります.

全区間地下になる関係で、東横線直下に線路が設置出来ない場所もあり、綱島駅などはちょっと離れた場所に設置され「新綱島駅」として開業予定です。

▲地元説明会ではこの辺りに駅が示されていました.

最後はその東部方面線の乗り入れ先の1つ相鉄です。相鉄いずみ野線は宅地開発に併せて順次延伸をしてきた路線で1999年に漸く現在の終点湘南台駅まで延伸が完了しました。昭和40年代に出された計画では、この先平塚駅までの予定で免許も取得していますが、今のところ工事の様子は伺えません。

ここ湘南台駅は小田急江ノ島線の下をくぐる形でホームが設置されその先に車止めが設けられています。同じく江ノ島線中央林間駅で終点になっている東急田園都市線は、江ノ島線をくぐることなく車止めが設けられていて対照的です。

地下は見えない部分が多いだけに延伸計画などは、都市伝説と化したものもありますがそれは何れの機会に・・・地下線でも鉄道が延伸されればやはり嬉しいです。
地下の終点で延伸工事を見ようと思っても見えない事が殆どです。工事中は仮壁と呼ばれるコンクリートの壁が設けられ、その先で掘削作業を行うのが通常です。コレは地下の気圧の違いなどで、ホコリやコンクリートの粉塵が営業線側に流れるのを防ぐためです。
最先端部の掘る側はシールドマシーンがありますが、その反対側はというと・・・
このように、地盤のそのものに鉄骨を打ち込み、土留めとして支えを作りシールドマシーンが到達するのを待ってます。

そして、数年の月日が流れて漸くシールドマシーンが到達すると、土
留めを少しずつ壊しこの様に繋がります。

怪しく残す

砂利積込みモジュールの手前側に貨物廃線跡を作る予定ですが、
怪しい雰囲気で残したいんです。
先日訪れた岳南と秩父で引込線が廃止された跡や、かつてのヤード
への跡等を見つけて記録です。
岳南鉄道の場合は、連動装置が生きたままなのでポイントごと撤去
するともの凄いお金がかかるため、ポイントが残っているようです。
岳南
一昨日行った秩父ではかつてのヤードが、有料駐車場に転用されて
ましたが、その手前まではヤードがあった事を誇示するかのようにポ
イントが残されていました。
秩父
怪しく残すにはレールのヘロヘロ感が必要のようで、どのレールも37k
レール以下です。模型では、やはりレール高さがその辺の雰囲気を壊
してる感じです、PECOのファインレールというのが#55というちょっと
低めのレールですが、まだ高い感じです。更に低い篠原の#40という
引き抜きレールもありますが、今度はポイントが無いという状態です。
ポイントから自作すると3年はかかるだろうか・・・また悩みが増えました。

未成線

最近、無くなるモノばかり目につきますし、無くなるから記録に残そう
と出歩きますが、無くなるモノばかりでは悲しいのでこれから未来輝
かしいものを少しご紹介。これからのモノと言ってもE233の東海道
仕様とかはあまり詳しくないので、未成線のお話です。
このブログをはじめた頃にも書きましたが、最初は京急から。
久里浜線は堀ノ内から延伸を続け、現在は三崎口まで到達してます
がこの先油壺、三崎港まで延ばす予定は京急ファンにとってはイロハ
のイです。延伸については用地買収などの問題で、油壺~三崎港間
は30年程前に計画を断念。三崎口~油壺間も一旦免許を取り下げ
てますが、延伸の意志はある様で時期を見てからの着工とのことで、
延伸工事は当分先になりそうです。
初声隧道
▲過走余裕距離も無く,ホーム終端で線路も終わってます
ホームの終端部分には車止めが設けられ、その先国道部分は「初声
隧道」という箱形隧道になっていて延伸準備は行われてます。隧道の
先は切り土が続き三戸変電所が設置されている脇、50m程で路盤は
終わってます。
三戸変電所
▲軌道延長より電車線亘長の方が長くなってます
続いて京急の反対側、北総、京成が2種で乗り入れている成田新高
速鉄道の印旛日本医大の延伸部分。こちらは土木工事が宴たけなわ
といった感じで、成田空港まで3年後の開業に向けて工事が行われ
ています。
この路線は千葉ニュータウンの入居状況が芳しくないため、計画が二
転三転してますが漸く成田空港への延伸工事がはじまりました。
印旛日本医大
▲右の2線は引上線で,本線はその両外側になります.
この辺りは新線計画の宝庫というか、計画遺構がかなり残ってます。
北総線の小室~千葉ニュータウン中央までは特に用地遺構が多く、
成田新幹線と都営新宿線の延伸となる千葉県営鉄道そして、国道が
開通する予定だったので、だだっ広い空き地の用地幅が100mくら
いある所も存在します。こちらの路線が空港まで開通するとスカイラ
イナーは、こちら経由になる予定です。
印旛日本医大切り土
▲成田空港までの工事が始まりました.線路の両脇は国道464号の
 バイパスが併せて工事されます.

次は、もう一つの京成というか京成になった元千葉急行電鉄ちはら台
です。この先は小湊鉄道の海士有木までの延伸計画ですが、この計
画は元々小湊鉄道が免許を取得してました。千葉急行の設立など紆
余曲折を経て現在は京成が免許を保有というのも京成ファンにはイロ
ハのイ。
現在の千原線は千葉線の延長的な意味合いになり、単線ですが用地、
駅構造物などは複線対応です。
ちはら台車止め
▲この先の用地も複線分用意されてます
駅から先の線路についてはちはら台まで単線のため、異常時なども
含め故障車や増発車等を留置出来る様、1編成分の有効長が用意さ
れてます。その先は150m程路盤が出来ていて、延伸やる気満々の
様ですが、沿線の開発に併せて延伸を行うので先はまだまだ長そう
です。
ちはら台先
▲延伸されても軌間も違うし小湊のディーゼルが乗り入れてくる事
 は無いと思います

最後は、またまた京成が出資している成田の芝山鉄道です。この路
線の経緯は特殊というかご褒美的に出来たモノで、芝山町が成田空
港の建設に際し協力をしたためその見返りに建設された鉄道です。
これも京成ファンならイロハのイ。
芝山町の中心部まではまだまだ距離がありますが、空港施設の外れ
部分にとりあえず1駅目を設置した状態です。2キロ強の路線の半分
は、空港施設の下を通る木の根トンネルとなっていて、このトンネルも
空港施設の自動車トンネルと一体構造で同時施工で建設されてます。
芝山千代田
▲駅の脇は空港施設です
ホームの先端から15m程で線路は終わってますが、高架橋構造での
車止めはJRの規程なら第4種の緩衝装置付き車止めになります。芝
山鉄道はこの先九十九里までの延伸計画があるため、そんなゴツイ
物を設置すると延伸工事の時邪魔になりそうです。
芝山千代田
▲右カーブする道路に沿って鉄道用地がいくらか用意されてます
看板1
▲芝山千代田の駅前にある看板
看板2
▲横芝光町の国道沿いにある看板
高架の端部はPC桁構造になってますが、橋脚部分には更に別の桁
が載せられる構造になっていて、こちらも延伸やる気満々というか延
伸時に少しでも工費を抑えられる様になってます。
芝山千代田高架橋
▲将来的にも需要は単線構造で十分なのでしょうか・・・
家を買うのに「あと○年すると○○線がやってくるから今が買い時です
よ!」と悪徳で無くても煽ってくる不動産屋はたくさんあります。それに
乗せられて買ったはいいけど鉄道がいっこうに来る気配はナシ!等と
いう話しも良く聞きます。特に印旛日本医大から先は成田ニュータウン
もあり家を買った人は鉄道の開通を今か今かと待ってます。
三木鉄道なんかも春で廃止ですが、逆に鉄道の開通を待ってる地域は
イッパイあります。未成線が完成するといつも大喜びのヘッポコですが、
それ以上に地元の方々は鉄道の延伸に期待「大」のようです。
なんか、長いブログになってしまいましたのでこの辺で。ここまで読
んでいただきありがとうございました。