JR東日本215系【車内前編】

JR東日本215系電車

東海道線の混雑緩和を目的として開発された215系電車は着先率を高くしているため車内は2階建てで、独特な座席となっています。前編は普通車、後編はサニタリーとグリーン車をご紹介します。

215系の車内

クモハ215形先頭車車内

クモハ215形は、1階席となる部分には機器類があるため2階席とデッキレベルのフロアしか存在しません。

1階席がないため、デッキ部分からは上りの階段のみとなっています。奥の青い扉は乗務員室です。

乗務員室前は4人掛けが2箇所となっています。

1、10号車の座席の一部に、JR東日本ではおなじみのカラーリングで優先席があります。

モハ214形、サハ214形車内

中間車は全て2階建て構造となっているため、2階へ行く階段と、1階席に降りていく階段があります。

階段部分は明るい感じです。

見慣れたE231系などのグリーン車(G車)は曲線を描いた階段になっているため、215系の階段はちょっと新鮮に見えます。

2階席は先頭車を含め普通車は全車同じ作りで、独立座席4人掛けのボックスタイプとなっています。背もたれ部分の頭に網棚があります。

コチラは1階席で、コチラも普通車全車同じ作りです。

2階席は通路と座席はフラットですが、1階席は座席部分が若干高くなっています。

1階席から上がる階段部分。

普通車のため、出入口はデッキ構造で仕切られていないため、デッキフロアの座席が見えます。

デッキレベルの座席です。腰壁しかないため在来線2階建てG車のような閉塞感はありません。その代わり、全車内におつまみやお酒のにおいが行き渡ります(爆)

2、9号車ではこの階段左側に、かつてはカード式公衆電話が装備されていました。現在公衆電話は撤去されています。大船、藤沢から先の快速運転時は立ち席がでるため、ココに入っちゃう人も居ます。ある意味個室でいいです。

215系車両外観はコチラへどうぞ。

-後編へつづく-

JR東日本215系【車体編】

JR東日本215系電車

東海道線の混雑緩和を目的として開発された215系電車はその性格上通勤ライナー用として朝、夕間ラッシュ時に多く運転されています。関東圏に住んでいても215系に乗ったことのある人は少ないと思います。かつては湘南新宿ラインなどで昼間の通常運用に付いていた時期もありました。とは言え、東海道筋を通勤時間帯にしか走らないため、乗りにくい列車の1つです。

215系電車の形式

車両は運用上10両固定編成となっていますが、界磁添加励磁制御で4M6Tという今思えば挑戦とはいえ、1990年代前半にはちょっと無茶ぶりとも思えるスペックでデビューしました。東海道線を走ることを目的としていたため、4、5号車はグリーン車となっています。

クモハ215形

215系は両先頭車から2両が電動車になっていて、1号車10号車はデッキレベルより下の1階席が存在しません。クモハ215形はパンタを載せています。

▲10号車は100番台を名乗っています.

性能面では211系を基本とした作りで、床下の主抵抗器や断流器が今となってはクラシカルな感じです。台枠上の床にも機器が搭載されていて点検、搬出入用のふさぎ板が見えます。

▲1号車側.

最近になって、違いがわかってきました。

パンタはPS24を搭載しており、中央東線を難なく走行できるため、休日波動時はホリデー快速ビューやまなしなどでも使用されていました。

モハ214形

クモハ215形とユニットを組む車両で、2、9号車に割り当てられています。電動車ですが、1、10号車と違い1階席が設けられています。

▲2号車

1、2号車と9、10号車は同じ作りの車両を180度反転させて組成されています。

▲9号車

サハ215形

3、8号車を構成する車両です。サハ215形にはトイレが装備されています。洋式、小便器、洗面所と新幹線並みの豪華なサニタリーになっています。

DDLのロゴのある場所がトイレ部分で、トイレの分座席定員が減っています。第2編成以降はATC搭載によるジャンパ線増設に伴い、番台区分が行われています。

DDLは愛称のダブルデッカーライナーの略です。

サハ214形

6、7号車に組み込まれているサハ214形。外観上はモハ214形と同じです。

サロ214形

4号車のグリーン車で車掌室があります。211系から始まった2階建てグリーンとほぼ同じ形です。

G車としては見慣れた感じです。

サロ215形

5号車を構成しているサロ215形でトイレを備えています。コチラもDDLのロゴのある場所がトイレとなっています。


まとめ

バブル全盛期、通勤圏は郊外へ郊外へと移動し、長距離着席率を上げるためにデビューした車両でした。しかし、コロナ禍のため通勤する必要が無くなってきた時代に引退するのは、何となく皮肉に感じます。

ライナーとして走行するのはあと10日間です。緊急事態宣言中で乗車するのは難しいですが、乗車される場合は密に注意してお願いします。

着席定員としては日本一を誇る車内を、次回ご紹介します。

湘南ライナー廃止

湘南ライナー間もなく廃止

東海道線のラッシュ時間帯着席対策で運行されている湘南ライナーが、3月13日の改正で間もなく廃止になります。この湘南ライナーについて軽く解説します。最後に小田原駅で撮る時のコツもお知らせいたしますが、これからの時期密に気をつけて撮影をお願いします。

東京発着が湘南ライナー

東海道筋には上りは東京駅(一部品川止まり)へ向かう「湘南ライナー」と新宿へ向かう「おはようライナー新宿」の2列車が運行されています。

上りの湘南ライナーは2号から12号まで(偶数号のみ)の6本が運転されています。始発は小田原6:19発の湘南ライナー2号で,最終は12号8:09発です。下りは1号から17号まで(奇数号のみ)の9本となります。

新宿へ向かうおはようライナー新宿

東海道線を走行しますが、メインは貨物線を走行し東戸塚駅付近から先は羽沢貨物線を走行して、品鶴線を経由して新宿へ向かうのがおはようライナー新宿です。逆に新宿駅からの下りはホームライナー小田原になります。

おはようライナーは22号から26号まで(偶数号のみ)の3本のみとなっていますが、貨物線を走るため沿線風景は見慣れないモノが続きます。方向幕はおはようライナーだけで、新宿の記載はありません。

小田原駅で見る湘南ライナー

185系湘南ライナー

湘南ライナーは全て小田原駅から出発となります。上り6本のうち4本が185系になります。編成は7両、10両、15両と分かれています。

小田原駅の出発時刻と番線(ホーム)は次の通りです。

2号6:19発 5番線
4号6:37発 5番線
10号7:59発 4番線
12号8:09発 4番線

ヘッドマークはかもめの水兵さんのデザインです。


215系湘南ライナー

7時を挟んだ2本は215系の運転になっています。おそらく最混雑時間帯の着席率をあげるためと思われますが、コロナ以降空席が目立っています。

出発時刻と番線は以下の通りです。

6号6:58発 4番線
8号7:22発 5番線

ヘッドマークはありませんが、種別幕にかわいくライナーが表記されています。

185系おはようライナー新宿

コチラは3本中2本が185系での運転となります。

出発時刻と番線は以下の通りです。

22号6:25分発 5番線
26号7:41分発 5番線

ヘッドマークはなく、文字だけの種別がでています。


215系おはようライナー新宿

コチラは1本だけになります。7時に近い時間帯の1本だけがこの215系になるので、湘南ライナーと同じく最混雑時間帯だけこの車種を充当している感じです。

出発時刻と番線は以下の通りとなります。

24号7:09発 4番線

表示は種別幕のところにコチラもかわいく表示されています。

小田原駅での撮影ポイント

小田原駅は2面4線のホーム構造で、湘南ライナー、おはようライナーは中線の4番線(下りホーム)、5番線(上りホーム)から出発します。停止地位置は若干ずれていて、5番線はホームが若干熱海寄りにずれています。

7:09発のおはようライナー新宿24号は小田原駅熱海方の引上線、下引上1番線から出庫してきます。この後混雑してくると思いますが、無防備に走り回るのも密になりかねないので、こう言う標識を目当てにして止まる位置を最初からめがけてスタンバイしておくのがいいです。

▲215系は10両編成なので必ずココに止まります.

215系の並び

7:09発のおはようライナー新宿24号と7:22発湘南ライナー8号が7:07頃に4、5番線で並びます。小田原駅での撮影はコレが一番の目玉な様な気がします。ダイヤ上回送で湘南ライナー8号が到着してからおはようライナーが出発するので、おそらく今後混雑してきてもわざと並ばさない様なことはないと思います。

停止位置はこのように4番線、5番線では同じ10両でも10m位ずれて停車します。

参考までに、湘南ライナーの下りとホームライナー小田原は大船駅から下り側は快速運転のため、ライナー券無しで乗車できます。大船駅通過のライナーは藤沢駅から先がライナー券なしで乗車できます。乗り納めであればココから乗るのがお得です。