架線柱と周辺のお話-最近の設備-

夏期超短期講座として、架線柱と周辺のお話シリーズ(勝手にシリーズ化)で最近の話題についてちょっとだけ。
架線を支持する物として架線柱がそれにあたりますが、総称して支持物と呼ばれる事もあります。そのうち景観に配慮した物を景観支持物と呼ぶ事もあります。
主に鋼管柱の架線柱がそれにあたり、下の写真にある架線柱が鋼管柱です。パイプ柱等ともよばれカトーからは複線アーチ型架線柱としても出ています。

以前のお話のなかでは架線柱にき電線2本と、信号高配線3本が無いと理に叶っていません、っと書きましたが、下の写真をご覧の通りそれらの電線がありません。
この2枚の写真で採用されている架線はインテグレート架線といい、1990年代前半にJR東日本で開発された架線です。

インテグレート架線はき電線を廃止し、吊架線を太く2本にしてこれをき電線の代わりとしています。また信号高配線もケーブル化してトラフ内に収めています。
インテグレート架線のアップです。

トロリー線は摩耗測定のため連続的に点検する必要があり、架線用モーターカーなどで点検出来ます。しかし、架線のビームより更に上にあるき電線や信号高配線には届かず、これらの線を点検するにはハシゴをかけるくらいしか方法がなく、高所作業のため危険が伴いました。それらを解決したのがインテグレート架線と景観支持物です。
厳密にはちょっと違いますが、模型的にはそんな理由で5本の電線がなくても大丈夫です。
カトーのアーチ型架線柱は信号高配線用の碍子などがついてませんが、それで正解なのです。