架線柱と周辺のお話-最近の設備-

夏期超短期講座として、架線柱と周辺のお話シリーズ(勝手にシリーズ化)で最近の話題についてちょっとだけ。
架線を支持する物として架線柱がそれにあたりますが、総称して支持物と呼ばれる事もあります。そのうち景観に配慮した物を景観支持物と呼ぶ事もあります。
主に鋼管柱の架線柱がそれにあたり、下の写真にある架線柱が鋼管柱です。パイプ柱等ともよばれカトーからは複線アーチ型架線柱としても出ています。

以前のお話のなかでは架線柱にき電線2本と、信号高配線3本が無いと理に叶っていません、っと書きましたが、下の写真をご覧の通りそれらの電線がありません。
この2枚の写真で採用されている架線はインテグレート架線といい、1990年代前半にJR東日本で開発された架線です。

インテグレート架線はき電線を廃止し、吊架線を太く2本にしてこれをき電線の代わりとしています。また信号高配線もケーブル化してトラフ内に収めています。
インテグレート架線のアップです。

トロリー線は摩耗測定のため連続的に点検する必要があり、架線用モーターカーなどで点検出来ます。しかし、架線のビームより更に上にあるき電線や信号高配線には届かず、これらの線を点検するにはハシゴをかけるくらいしか方法がなく、高所作業のため危険が伴いました。それらを解決したのがインテグレート架線と景観支持物です。
厳密にはちょっと違いますが、模型的にはそんな理由で5本の電線がなくても大丈夫です。
カトーのアーチ型架線柱は信号高配線用の碍子などがついてませんが、それで正解なのです。

奇跡のキット

まさかのGM変電所キットを先週土曜日、JAMの帰りに寄ったお店で入手しました。パッケージはご覧の通りヘッポコも見た記憶があるような、ないようなGMキットです。
おそらく1980年代のもので30年程前のキットだと思います。パッケージ裏面は説明書兼用になっているので載せるのは厳しいかな?

中身ですが・・・
遮断器は山陽天満変電所にあったような縦型の形状をしています。

変圧器のラジエターもしっかり成型されています。

JAMの帰りにふらりと寄った川崎大師にあるプロポ屋さんで、詳細は遠慮させて頂きますが、店主さん曰く「もうボケ防止でお店やっているだけで全然売れないよ」っとのこと・・・寂しい限りです。ちなみに、定価1000円の3割引きで735円でした。

無轍差転轍器

ヘッポコ工場長は模型のウデのみならず、写真のウデもイマイチなのでデジカメはコンデジ派です。今年に入ってからキャノンのS100とSX40HSの2つに買い換えました。SX40HSは望遠が売りで、その望遠たるもの、ものすごいです。以前の我が家にあったコンデジでは撮れなかったアングルも撮れるようになりました。
望遠性能のテストを兼ねてヘッポコの家からさほど遠くない、京急六浦駅の無轍差転轍器を撮りに。

金沢八景駅に隣接する総合車両製作所から車両搬出のため、金沢八景―神武寺駅間は3線軌道となっています。六浦駅では狭軌と標準軌の共通レールがホーム側にあるため、狭軌車両輸送の際軌道中心がホーム側にずれてしまいます。そのため長年、六浦駅上りホームはホームと京急の車両の間がものすごく開いていました。
それを解消するため、六浦駅の前後に無轍差転轍器を設け、狭軌車両の軌道中心がずれるように改善されました。

連動装置が新設された六浦駅は出発、場内信号機が新設されました。転轍器類は金沢文庫駅で管理されています。

神武寺駅手前まで続く3線軌道。

神武寺駅にある米軍専用改札口など、日本の中のアメリカ。こういうのも模型であると面白いかもしれません。