車止めの選定その2

我が家の車庫モジュールに選んだ車止めは3種類で,安全側線は砂利盛りの第1種,車庫内は第2種,保線基地にはレールを湾曲状に加工した第3種2号と言うタイプです.
第1種車止めの場合勾配などによって条件が異なりますが,砂利盛りの長さは20~40mと定義されており,隣接線路との複線間隔も条件により2.5~3.5m以上と定義されています.
車止め1種
砂利盛りの第1種車止め.写真のは砂利盛りに古枕木で出来た砂利止めが施されたタイプですが,安全側線に設置する場合は砂利止めは設けず,そのまま盛りつけたタイプの方が一般的です.
車止め3-2
レールを湾曲状に加工した第3種2号.使用頻度の低い貨物側線の終端部分などに採用されてます.NゲージではキッチンNからホワイトメタル製で発売されていますが,商品名は旧称名の「第3種甲号乙号」(現1号,2号)です.
車止めの名称は民鉄各社で若干異なっており,例えば東急などでは第1種車止めは「車止装置形式1」,第2種は「車止装置形式2」となっていて第3種に相当するものは制定されていないようです.

車止めの選定

実際に車庫を設計する際,車止めの選定も重要になります.ので,模型でもちょっと拘って選定してみます.JRで現在制定されている車止めは,第1種車止めから第5種車止めの5種類6タイプで,第5種は新幹線用です.
設置基準としては
第1種 安全側線,スイッチバックの終端
第2種 行き止まり本線路、重要な側線の終端
第3種1号(1号の1はローマ数字)車庫線およびこれに類似する終端
第3種2号(2はローマ数字)上記以外の側線終端
第4種 建物、高架、切土等で停止位置を誤ると重大な損害を及ぼす箇所
っとなってます.
主に車庫の終端で用いられるのは第2種と第4種で,検査庫内では第3種Ⅰ号がよく用いられています.
kurumadome
コレが第2種.トミックスでおなじみのヤツで,更に,30t積以上のタンク車の入換等に使用する側線の場合は前面に砂利盛りを5m設ける事になっています.
車止め
第3種1号.白糸台の様に検査庫をツン抜けて車止めを設置する場合はこの限りでは有りません.キッチンNからキット形式で発売されています.
車止め
第4種.カトーでは昔から発売されておりトミックスも最近LED付きで発売されてます.高架線上の車庫や,直ぐ後ろに幹線道路などが有る場合設置される車止めです.写真のは前面に砂利盛りが施されたタイプです.
で,我が家の車庫は・・・車止めの後ろは小さな道路で,検査庫もツン抜け式にするので全てトミックス製の第2種を設置する事に.そして,安全側線は第1種の砂利盛りで保線基地については第3種2号と言うヤツにします.
(続く)

安全側線

安全のための側線?

車庫モジュールの製作を開始しましたが,本線との合流地点には安全側線を設置したいと前から思ってました。
安全側線の目的は衝突防止、コレに尽きます。列車や車両が停止位置を誤り、行き過ぎることにより他の線路を走る列車、車両とぶつかるのを防止するため、本来の線路から横道に逸らすための側線です。

安全側線
小田急の例.乗越分岐器が使用されています.

写真をご覧の通り、側線と言っても貨車1両を停める有効長すらありません。側線長は各社考え方によるものですが、国鉄時代は細かく決められていました。模型ではそれらしく作ってあれば問題無いと思います。

安全側線2
西武鉄道の例.普通分岐器が使用されています.

安全側線で使用する分岐器(ポイント)

乗越分岐器1

安全側線は国鉄では事細かに取り決めがありました。そのうちの一つに使用する分岐器が決められていて、原則として乗越分岐器を使用することが謳われていましたが、信号機の内方にある安全側線で、絶縁から20mを確保出来ないときややむを得ないときは普通分岐器を使用してもよいとなっています。

分岐した後の線形は直線にすることになっていますが、やむを得ないときは分岐器の番手に合わせてR120~200mの曲線を設ける事ができます。

最初から止まる意思のない列車、車両には無力です。55キロ以上の速度の列車を停めるには100m以上の距離が必要ですし、100キロの速度では400m以上の距離が必要です。あくまで、止まり損ねたときに事故を防止するためのものです。