回路の設計が終わり外回り本線の場内信号機回路を組んでみました。そして、無事に緑色のLEDが点灯。制御回路はコレだけの至ってシンプル設計です。この後段に給電リレーとポイント切り替え回路が付きます。
つまみはJIS規格通りの配色にしました。
車庫モジュール制御盤
場内信号機の設置
皆さん知りたい事は同じ!?な様でリクエストメールも頂きまして、また保安設備の信号編を西武多摩川線で進めます。ずいぶん時間が経ちましたが・・・
単線区間での安全側線設置基準と乗越転てつ器、普通転てつ器設置条件については前回の通りですが、おさらいも含めて進めます。
今回は、場内信号機の設置についてです。大元の規定では場内信号機の建てる位置を、駅構内の分岐するポイントから100m手前の位置に設置すること、または合流するポイントがある場合は150m手前に設置することが決められてます。
これは万が一「赤」の停止信号が現示されている場内信号機を行き過ぎても、ATSなどでポイントまでに停止できる距離が考慮されています。
ただし、これはあくまで前提であって、ATSを備えた電車のみの運行をメインとする線区ではこの規程を全く除外することができます。
「赤」の手前の信号機には「黄」の注意信号が現示されており、速度は45km/h以下に抑えられています。冒進により45km/hからATS等で非常ブレーキが動作すると勾配など線路条件にもよりますが、制動距離は約65mとなりだいたいこのくらいの距離までは短くする事ができます。
その他、きちんとした安全条件を提示すればポイント直前に場内信号機を設置するのも問題ありません。むしろ出発信号機設置位置の方が未だに厳格に決められています。
もし、今蒸気機関車による車両で、腕木式信号機の鉄道を開業するとすれば、場内信号機は上の様な条件でなければ認可は下りません。
下の写真は西武多摩川線新小金井駅下り場内信号機ですが、ここからポイントまでは約60mです。この手前の信号機に警戒信号などが現示できれば更にこの距離は短くなりますが、多摩川線の運行形態であれば続行追い込み運転の必要がないため、この距離がポイントまでのほぼ最低ラインと思われます。
次は複数場内信号機が有る場合・・・
下の写真は白糸台駅の下り第1場内信号機ですが、また2個並んでます。左側の警戒現示となっているのが下りホーム2番線(是政方面)への信号機で、右側は1番線(武蔵境方面)へ進入するための信号機で、これは多磨駅の下り場内と同じです。
そして奥にもう1つ「赤」の停止現示の信号機が見えこちらは第2場内信号機になります。第1場内信号機から1,2番線へ振り分けるポイントまで約100mです。
今第1場内信号機が「黄・黄」の警戒現示になりました。この時点で電車は第2場内の手前まで25km/h以下の速度で進行する事が出来ます。
さて、列車が近づき条件が整うと第1場内は「青」第2場内は「黄」となり列車は白糸台駅に進入できます。条件が整うというのはホームの先にある引上線が安全側線兼用で、こちら側にシーサスポイントが切り替わると第2場内は「黄」となります。
出庫車両等が入換中で2番線を横切っている時は引上線側にポイントを切り替える事が出来ないので、この場合は第1場内「黄」、第2場内「黄・黄」の信号となり、安全側線が無い時の条件と同等の現示になります。
では、なぜ第2場内信号機が有るかというと、
○入換、誘導を効率良くするため
○後続列車を追い込むため
単にこういう事です。。。
第2場内信号機はこの地点に2番線から上り方向への出発信号機も併設されています。これにより2番線に上り出庫列車をおき、下り列車を1番線側へ進路を開通させるとが出来たり、2本並べて緊急時に車両交換などを行いやすくしています。
また、2番線を使用して車両の入換をしている最中に、上り定期列車が1番線に到着してしまったようなとき、下り定期列車は第2場内の手前まで進入する事ができ運転時分の短縮にも繋がります。
この辺は鉄道事業者の考え方(到達時分を縮めたい等)と、運転密度などにより設計が決まるため必ず第2場内信号機を設けなければならない、と言う訳ではありません。
ちなみに、「黄・黄」の警戒現示では列車速度は25km/h以下に抑えられていて、線路条件にもよりますがこの場合の非常制動距離は約22mです。場内信号機の手前に警戒現示の出来る信号機が設置されている場合はポイントまでの100mと言う距離を短縮することができます。
大都市圏内では列車密度が更に増えているため、ホーム内にも信号機を設け、第3場内や第4場内などとしている事もあります。
しかしながらこれにも一長一短がありまして、列車がをオーバーランして最後部車がホーム内信号機を通過してしまった場合、後続列車がホーム内に入ってしまう恐れがあります。その場合バックする事が出来ず列車はお客さんを乗り降りさせる事無く次の駅へ行かざるを得ません。マスコミが喜ぶネタです。
この辺も考え方は各鉄道事業者によって異なる部分です。
近年はこの辺の事情を考慮し、一定時間以内に信号機の通過を感知した場合は、後続列車がホームに入ってこれないよう手前の信号機に赤を出し続ける工夫などもされています。
参考にしたい鉄道事業者を観察してみてください。