御殿場線経由新宿ヨドバシヘ

新宿のヨドバシカメラへ行くのはヘッポコ工場長にとっては特別なことではありませんが、今回は硬券が欲しいため、御殿場線経由あさぎり号で行ってきました。
東海道線に乗り大船から国府津駅を目指します。天気が心配で箱根に近いから降りだすかな?っと思いながら家をでました。茅ヶ崎駅を通過する頃、真っ黒な雲に覆われていましたが、平塚駅付近がどしゃ降りなほかは降られることなく国府津駅に到着しました。

国府津駅からは御殿場線普通列車に乗り換えます。御殿場線はあさぎり号に乗車し沼津―松田駅間を乗車したことがあるのみで、普通列車に乗るのも初めてです。ヘッポコが乗り込んでから東海道線下りが3本到着し、そのたびに人が乗ってきてかなりの乗車率で国府津駅を出発しました。

15分ほどで松田駅に到着。かつての東海道線の駅であったことを物語る広大な敷地です。

石炭関係の設備でしょうか?

小田急線との分岐箇所。

分岐箇所にある架線柱のビームには監視カメラがありました。指令所で渡りの状況を見ていると思います。

駅に隣接して酒蔵がありました。かつてはここで製造された日本酒が貨物として出荷されていたのでしょうか。

駅の出札口へまわり早速あさぎり号の乗車券と特急券を購入。

目的の一つであった松田駅発行のあさぎり号乗車券・特急券です。小田急ファンの間では言わずと知れた、未だに硬券という骨董品です。

階段を使わずに乗り降りできる1番線はあさぎり号専用ホームのようです。

お客さんが誰もいなかった出札窓口ですが、発車10分ほど前になるとどこからともなく人がやってきて、あさぎり号の切符を買うために並びだしました。

時刻どおりやってきたのは小田急20000系のあさぎり号で、乗車率は1割にも満たない感じです。

今回は初のG車に乗りました。

G車は1+ 2のシートでヘッポコの席は1列席です。しかし、網棚もなく荷物の置き場にちょと困りました。

階段付近に若干の荷物置きスペースはありますが、ちょっと心配です。

車内でコーヒーでもと思いましたが、車販はありませんでした。売店コーナーは設置されてますが営業してません。

硬券も無事購入でき1時間少々のあさぎりを楽しみ、ヨドバシカメラではプリンタ→USBの変換ケーブルを買い、湘南新宿ラインで帰宅しました。

硬券は乗車券は新松田駅からになってますが、特急券は松田駅になってます。

コチラは特急グリーンの料金券です。

座席はマルスで管理されているようで、座席指定券のみマルスで発券されました。コチラは指定席券だけになるため、金額欄は***になっています。

あさぎりの停車駅のみ硬券の取り扱いになっています。いつかはなくなっちゃうと思いますのでまた乗りに行かなきゃ。

場内信号機の設置

皆さん知りたい事は同じ!?な様でリクエストメールも頂きまして、また保安設備の信号編を西武多摩川線で進めます。ずいぶん時間が経ちましたが・・・
単線区間での安全側線設置基準と乗越転てつ器、普通転てつ器設置条件については前回の通りですが、おさらいも含めて進めます。
今回は、場内信号機の設置についてです。大元の規定では場内信号機の建てる位置を、駅構内の分岐するポイントから100m手前の位置に設置すること、または合流するポイントがある場合は150m手前に設置することが決められてます。

これは万が一「赤」の停止信号が現示されている場内信号機を行き過ぎても、ATSなどでポイントまでに停止できる距離が考慮されています。
ただし、これはあくまで前提であって、ATSを備えた電車のみの運行をメインとする線区ではこの規程を全く除外することができます。
「赤」の手前の信号機には「黄」の注意信号が現示されており、速度は45km/h以下に抑えられています。冒進により45km/hからATS等で非常ブレーキが動作すると勾配など線路条件にもよりますが、制動距離は約65mとなりだいたいこのくらいの距離までは短くする事ができます。
その他、きちんとした安全条件を提示すればポイント直前に場内信号機を設置するのも問題ありません。むしろ出発信号機設置位置の方が未だに厳格に決められています。
もし、今蒸気機関車による車両で、腕木式信号機の鉄道を開業するとすれば、場内信号機は上の様な条件でなければ認可は下りません。

下の写真は西武多摩川線新小金井駅下り場内信号機ですが、ここからポイントまでは約60mです。この手前の信号機に警戒信号などが現示できれば更にこの距離は短くなりますが、多摩川線の運行形態であれば続行追い込み運転の必要がないため、この距離がポイントまでのほぼ最低ラインと思われます。

▲新小金井駅は安全側線があるため「黄」現示の2現示でOK

次は複数場内信号機が有る場合・・・
下の写真は白糸台駅の下り第1場内信号機ですが、また2個並んでます。左側の警戒現示となっているのが下りホーム2番線(是政方面)への信号機で、右側は1番線(武蔵境方面)へ進入するための信号機で、これは多磨駅の下り場内と同じです。
そして奥にもう1つ「赤」の停止現示の信号機が見えこちらは第2場内信号機になります。第1場内信号機から1,2番線へ振り分けるポイントまで約100mです。

今第1場内信号機が「黄・黄」の警戒現示になりました。この時点で電車は第2場内の手前まで25km/h以下の速度で進行する事が出来ます。

さて、列車が近づき条件が整うと第1場内は「青」第2場内は「黄」となり列車は白糸台駅に進入できます。条件が整うというのはホームの先にある引上線が安全側線兼用で、こちら側にシーサスポイントが切り替わると第2場内は「黄」となります。

▲ここは白糸台駅の第1場内信号機になります

出庫車両等が入換中で2番線を横切っている時は引上線側にポイントを切り替える事が出来ないので、この場合は第1場内「黄」、第2場内「黄・黄」の信号となり、安全側線が無い時の条件と同等の現示になります。

では、なぜ第2場内信号機が有るかというと、
○入換、誘導を効率良くするため
○後続列車を追い込むため
単にこういう事です。。。
第2場内信号機はこの地点に2番線から上り方向への出発信号機も併設されています。これにより2番線に上り出庫列車をおき、下り列車を1番線側へ進路を開通させるとが出来たり、2本並べて緊急時に車両交換などを行いやすくしています。
また、2番線を使用して車両の入換をしている最中に、上り定期列車が1番線に到着してしまったようなとき、下り定期列車は第2場内の手前まで進入する事ができ運転時分の短縮にも繋がります。

この辺は鉄道事業者の考え方(到達時分を縮めたい等)と、運転密度などにより設計が決まるため必ず第2場内信号機を設けなければならない、と言う訳ではありません。
ちなみに、「黄・黄」の警戒現示では列車速度は25km/h以下に抑えられていて、線路条件にもよりますがこの場合の非常制動距離は約22mです。場内信号機の手前に警戒現示の出来る信号機が設置されている場合はポイントまでの100mと言う距離を短縮することができます。
大都市圏内では列車密度が更に増えているため、ホーム内にも信号機を設け、第3場内や第4場内などとしている事もあります。

しかしながらこれにも一長一短がありまして、列車がをオーバーランして最後部車がホーム内信号機を通過してしまった場合、後続列車がホーム内に入ってしまう恐れがあります。その場合バックする事が出来ず列車はお客さんを乗り降りさせる事無く次の駅へ行かざるを得ません。マスコミが喜ぶネタです。
この辺も考え方は各鉄道事業者によって異なる部分です。
近年はこの辺の事情を考慮し、一定時間以内に信号機の通過を感知した場合は、後続列車がホームに入ってこれないよう手前の信号機に赤を出し続ける工夫などもされています。
参考にしたい鉄道事業者を観察してみてください。

架線柱と周辺のお話-前編-

お正月があけ、会社の先輩がモジュール作りたいと3年前から言っていたのが漸く行動開始となりました(人の事言えませんが・・・)。
で、「ヘッポコ君、レールは売ってるのつなげればいいし、1本25mっていうのは聞いたことあるけど、架線柱は何mおきなの?」っと質問されましたが、「んなの決まって無いッスよ」っと言いました。が、事実なので仕方ないのです。
実際にビジュアル的なセンスでつけるのが手っ取早いですが、そのうち架線の話題がでまして、「よく分からないんだよね。教えて」っとなりました。

今回から直流1500V区間について、3話に分けてあれこれ書いてみます。
1回目は各部の名称と役割です。模型の架線柱ですが、カトーのタイプが一番理に叶っているのでこれで説明します。
下の架線柱、柱とビームは分かると思います。専門的には「V型トラスビーム柱」と呼びます。電気屋さんには「ブイトラ」で通用します。そして、上にもなんだか付いてます。左側2個の碍子が「き電線」と呼ばれる電線が付くところで、右側3個の碍子が「信号高配線」と呼ばれる送電線が付きます。

実際の架線柱を見てみましょう。東急東横線祐天寺駅付近の架線柱です。模型では鉄骨柱等と呼ばれ最近トミーからも再販されました。実物では「ラーメン柱」と呼んでいます。

「架線」の他にビーム上にまた何か付いてます。左側を見ると2本の線がありますが、これは「き電線」と呼ばれるものでカトーの架線柱にもちゃんと2個碍子が付いてました。
き電線はフィーダー線とも呼ばれまして架線と同じく1500Vが架かっています。架線のうち、トロリー線と呼ばれるパンタグラフと接する一番下の線は約110mm2っと、とても細く電圧降下もあるため、一定間隔でき電線と接続させ、架線の電圧降下を防ぐ役割を持っています。模型で、大きな運転会をやると線路給電だけだと電圧降下するので補助フィーダー入ますが、これと役割が似てます。2本あるのは上り線用き電線、下り用き電線と分かれているためですが、ピクトリアルを読むと東急は近年上下一括き電方式を採用しているようです。

さて、今度は右側を見ると3本電線があります。カトーの架線柱にも写真右側に3個碍子があります。これは「信号高圧配電線」といい、信号機や駅設備に電力を供給している送電線で、同じくピク増刊号によると東急は交流6600Vを送電しているようです。

信号機への給電や駅近くではキュービクルなどに引き込み、交流200Vや100Vに降下させ蛍光灯や券売機、駅員さんがお茶を飲む電気ポット等にも給電されます。ビーム下に太く写り込んでいる電線はおそらくLCXという列車無線のアンテナ漏洩ケーブルです。

会社を変えて西武池袋線の狭山ヶ丘駅を見てみます。駅が近いので配線の取り回しが若干違いますが、ちゃんとき電線と信号高配線が配線されています。
左側一番上にある細い線は「架空地線」と呼ばれる線で、空にある地面の線です。つまり地面と同じ電位を保つ電線で、落雷対策によく用いられます。「ココが地面ですよと」低い電圧を与えておくことで、雷さまに地面と錯覚させ配電線へ落雷させずにこの架空地線に落雷させる役目があります。

ピク西武特集を読むと、「秩父山岳方面が近く落雷対策で全線に架空地線を設置」と記述があります。西武線モジュールに架線を張る場合この辺もポイントになりそうです。
さて右側ですが、こちらは信号高配補助線と構内の低圧配線があります。ここらにくると、応用編になります。
ピク特集を読むと、「信号高配は2回線化」と書かれています。これは信号高配のバックアップを兼ねた補助線と言えます。近年の列車設備の2重系統化と同じです。メイン回線に何かあった場合にコチラの送電系統に切り替える事で、サービス電源が保たれると言うわけです。
電線は1本に見えますが3本の線が撚り線となっていて、それぞれ絶縁素材が使われています。3本バラの被服送電線より若干値段もお高くなり、この辺の事情が3本線の高配線と意味が違う所です。

もう一つの碍子があるのは、構内のポイント用水銀照明等に利用される低圧配電線です。この辺は駅や会社などで事情が異なりますのであくまで応用編です。
なお、ピクによると西武線の信号高配は交流6000Vと東急と電圧も違うようです。いきなり応用もだしてしまいましたが、基本的には架線柱ビームには2本のき電線と3本の信号高配線があると言う事を理解していただければと思います。

-つづく-