首都圏地下の未成線
なくなるものばかりを追いかけてもつまらないので、昨年に続いて今年は地下編です。
本来の未成線との意味合いは違いますがここでは総称的に未成線にしています。真新しい副都心線の渋谷駅から。現在横浜方向は仮壁で覆われていますが、3年後にはこの壁の向こう側が東横線と繋がります。
両脇の将来副本線となる部分に列車が出入りしているため、ここは砂利盛りの車止めがあります。
続いて同じく東京メトロ半蔵門線押上駅です。半蔵門線は都市計画決定に基づく路線において第11号線として渋谷-蛎殻町間として建設された路線です。1978年に青山一丁目駅まで開業し最終的には、松戸駅までの路線延長が決定されています。
現在の終点は2003年に開業した押上までとなっていますが、押上駅の先は80mほどまだ線路が延びていて、渋谷方面からの線路をくぐる所まで一体構造で施工されています。
同じく半蔵門線ですが、こちらは住吉駅です。ここは上下2階建てのホームになっていて島式ホームの構造になってます。
島式ホームと言っても待避などが行える構造ではなく反対側は車止めで終わってます。日中は車両の留置に使用されていますが、こちら側の線路は将来有楽町線と接続するための線路です。豊洲駅から線路延伸の予定があり、有楽町線はこの先半蔵門線と線路を供用して、四つ木から東武野田線の野田駅まで延伸する答申が出ています。
さて、東京メトロの最後は銀座線です。ここは終点浅草駅ですが、ホームの端から更に150m程線路が延びています。現在は折返設備として引上線の形態になっており、主に朝間ラッシュ時に使用されています。ココはかつて銀座線の三ノ輪延長計画があり、その名残のような形態の引上線です。現在は答申から外れているので延伸の予定はなさそうです。
今度は横浜市営地下鉄です。昨年開通したグリーンラインこと横浜市営地下鉄4号線ですが、こちらも答申では最終的に鶴見駅までの延伸が計画されています。
この先は慶応大学地下にある旧日本陸軍の施設が邪魔になるのでしょうか・・・延伸されれば、祐天寺と鶴見のリトルジャパンが乗換1回でハシゴに便利です。
続いて同じく横浜市営地下鉄の関内駅です。この駅も半蔵門線住吉駅と同じように2階建てでそれぞれ島式ホームが設けられた駅です。同じように本線で無い側は留置線として使用されていますが、戸塚方面の線路は数年前に撤去され、ホーム拡幅のスペースに転用されました。
この線路は、計画当初本牧方面の路線と繋がる計画で用意されていた線路で、計画は六会-上大岡-関内の1号線と本牧-関内-新横浜-勝田の3号線となってココ関内駅が接続駅の予定でした。現在は本牧方面の計画は消えて、1号線と3号線をニコイチにして営
業されています。その後みなとみらい線の開業により、本牧方面の計画は完全に消えてしまいしました。
で、今度はその横浜高速鉄道みなとみらい線の終点元町・中華街駅です。当初はJR線が乗り入れてくる計画などもありましたが、最終的には東急東横線との乗り入れになり、東横線の全列車が乗り入れて来ます。
元町・中華街駅からは答申により横浜環状線構想で、グリーンラインの中山駅まで延伸が計画されています。グリーンラインとみなとみらい線は集電方式と軌間がことなりますが、みなとみらい線としては根岸まで延伸予定で開業直前に元町・中華街駅付近にも変電所が設置されました。
ちなみに、みなとみらい線とほぼ平行して100mほど海側に、自動車専用トンネルがこの鉄道工事と同時期に行われました。横浜~本牧までのトンネルですが、未だに未供用道路となってます。
ちょっと場所を戻り先ほどの日吉駅です。こちらは目黒線の方の日吉
駅ですが、現在は地上に引上線と車止めが設置されています。答申で
この先東部方面線の延伸が決定し全区間地下で新横浜駅までの工
事が予定されています。
東部方面線では新横浜の先は、羽沢貨物駅を経由し相鉄線西谷駅で
相鉄線と接続します。ちなみに羽沢駅ではJR線とも線路が繋がります。
全区間地下になる関係で、東横線直下に線路が設置出来ない場所もあり、綱島駅などはちょっと離れた場所に設置され「新綱島駅」として開業予定です。
最後はその東部方面線の乗り入れ先の1つ相鉄です。相鉄いずみ野線は宅地開発に併せて順次延伸をしてきた路線で1999年に漸く現在の終点湘南台駅まで延伸が完了しました。昭和40年代に出された計画では、この先平塚駅までの予定で免許も取得していますが、今のところ工事の様子は伺えません。
ここ湘南台駅は小田急江ノ島線の下をくぐる形でホームが設置されその先に車止めが設けられています。同じく江ノ島線中央林間駅で終点になっている東急田園都市線は、江ノ島線をくぐることなく車止めが設けられていて対照的です。
地下は見えない部分が多いだけに延伸計画などは、都市伝説と化したものもありますがそれは何れの機会に・・・地下線でも鉄道が延伸されればやはり嬉しいです。
地下の終点で延伸工事を見ようと思っても見えない事が殆どです。工事中は仮壁と呼ばれるコンクリートの壁が設けられ、その先で掘削作業を行うのが通常です。コレは地下の気圧の違いなどで、ホコリやコンクリートの粉塵が営業線側に流れるのを防ぐためです。
最先端部の掘る側はシールドマシーンがありますが、その反対側はというと・・・
このように、地盤のそのものに鉄骨を打ち込み、土留めとして支えを作りシールドマシーンが到達するのを待ってます。
そして、数年の月日が流れて漸くシールドマシーンが到達すると、土
留めを少しずつ壊しこの様に繋がります。