軌陸車セット発売

ジオコレシリーズのうちトラックコレクションから軌陸車のセットがAとB発売になりました。そもそも軌陸車とは何なのかを解説します。

軌陸車とは?

軌陸車の意味

軌陸車とは、保線作業や電気作業用の自動車で、道路を走るのは当然ですが、車輪が付いていて線路も走れる物を言います。
新線区間や駅改良工事などでモーターカーが入れな場所や、モーターカーで作業を行うには移動時間の確保が取れないときなどに使用します。電気部門のうち、特に電路作業に関係する場合、架線用モーターカーより融通が利くためかなり以前から軌陸車が採用されています。昼間に事故があった際は、駅間にまだ列車が沢山いるので、軌陸車が現場近くまで出向きそこから事故現場へ向かうことも可能です。

近年では検測機能を持たせた軌陸車で、災害時に線路が寸断された際、遠隔地付近まで道路を走り現場付近で載線させ復旧にあたらせるための導入ケースがあります。

どうやっての線路に載せるの?(載線方法)

軌陸車を軌道上へ載線せるには、駅の改札から入ってホームから下ろすということは出来ないため踏切を利用します。踏切に着いたら道路とは直角方向に止め、ジャッキで持ち上げて軌道と平行になったら車輪を下ろします。

こんな感じになります。踏切はある程度幅員が必要となり直線が望ましいです。曲線だとカントが付いていたりするため、載線箇所には適しません。

また、踏切がないような路線では、道路と線路が同じレベルになる箇所にわざと踏切のような設備を作ることがあります。田園都市線のあざみ野付近にそのような設備があります。

軌陸車の種類

電気部門では、トロリー線の摩耗測定や張替、支持物の検査などの作業車として利用されています。写真のは京急の架線検測車です。パンタグラフでトロリー線の摩耗状態などを測定します。雰囲気的にこのまま電気で走って行っちゃいそうですが・・・

電気部門の高所作業車です。張替や検査など多岐にわたり活躍します。

コチラは荷台付きトラックのようにも見えますが、ドラムを載せるアタッチメントが付いていて架線延線ようの軌陸車です。張替作業の時に使用されます。できれば次回の軌陸車トラコレはこう言う電気部門のを出してもらいたいです。

コチラは土木部門などで利用されるユニック付きトラックです。今回発売された軌陸車もこんな感じです。材料、資材を現場からヤードまで運搬するのに活躍します。

コチラも土木部門で利用されている軌陸クレーンです。2.9t吊り程度の小型の物です。資機材の小運搬取り卸しに使用されます。とは言っても何でも使えます。今回のセットにも似たようなのが入っています。

コチラは言わずと知れた軌陸車で、グリルにあるマークからもわかる様にダイムラー社製ベンツのウニモグです。海外では以前から導入されていましたが、この20年ほどで日本でも認知度が上がってきました。軌陸と言うよりは牽引能力と制動能力に長けていて、モーターカー的な存在です。急勾配区間でも制動能力が高く、鉄道車両の牽引にも向いています。

コチラは保線部門で使用しているもので、アタッチメントを替えるとこのように枕木を掴んだり、ミニユンボになったり、タイタンパになったりまします。

コチラはレール探傷車の軌陸車です。JR東日本より受託されているもので、日本中を検測しています。モーターカータイプにすると夜間しか移動出来ないため、昼間に現場付近まで移動出来るようあえて軌陸車として導入された物です。東日本大震災以降は、線路が寸断されていても、陸路で駆けつけ検測業務が出来る軌陸車に需要が出てきています。

コチラは軌陸車ではありませんが、近くに道路がなかったりする場所で改良工事などを行う際、搬送台車を履かせて軌陸に早変わりさせる物です。事故があった際などもこのように操重車の代わりに現場へ向かうことも出来ます。

搬送台車はタイヤを載せるところにローラーが付いていて、その回転を直接、軌道車輪に伝達する物です。ただ、クレーン車は前進しようとすると伝導ローラーは逆回転するため、そのままだと搬送台車はバックしてしまいます。ピン連結器が付いているため、モーターカーなどで牽引すること可能です。