変電所のお話-その2-

今回からは機器類の説明になります。2回目は電力会社から受電する部分のお話で、構成図のうち赤く囲った部分の説明です。解説は構成図の順次右側に移っていきます。

受電というのは電力会社から交流の6万6千ボルトや、3万3千ボルトという高圧の電気を変電所に引き込むことを指し、機器名称ではありません。電力会社からの受電は三相交流のため3本線で1セットの回線となり、通常これが2セットつまり2回線で受電されます。片側の回線になんらかの障害があった場合でも、もう片側の回線から受電する事で停電を免れることができ、いわゆる2重系という考えです。
さて、受電部分を見てみましょう。この写真は東武の鐘淵変電所です。鉄柱(門型柱)のうち、上部碍子へ右側から3本線が2セット(手前3本、奥3本)つながっているのがわかると思います。3本線は鉄柱から直角に下へ降り、フォークを逆に刺したような形状にまとめられ地中へ埋まっていくのがわかると思います。

門型柱を裏側から見て見ます。6本の電線は画面の右側で東電の送電鉄塔につながっています。っというより、「東電の鉄塔から家庭用の配電変電所に行く電力を、途中で分岐して分けてもらっています」の表現があってると思います。
上の写真で右側に写っている赤白鉄塔がその本線で、そのまま鉄塔の線はどこかへ続いています。

つまり、変電所のそばには電力会社の高圧送電線が存在するというこうとになります。
下の写真は埋設部分のアップで、手前の3本、奥の3本、2回線とも地面に埋まって、変電所内では地中配線となっているのがわかります。

こちらは東急の柿の木坂変電所です。電力会社から高圧の電気を引くための送電鉄塔が、変電所の前だけにあります。

どうなっているのかというと、電力会社の高圧ケーブルが地中配線によって送電されています。そして変電所の前で鉄塔で立ち上げているというわけです。追っていくと、奥に見える環状七号線まで線路脇に不自然な用地があるため、おそらくこの中を配線されていると思います。
立ち上がり部分の配線を見ると、送電系統を示す札があり、この先はダイエー碑文谷店に供給されているのがわかります。駒沢という名称が読み取れるため有名な東京内輪線から分岐している高圧線と思われます。

話はそれましたが、変電所に目をやると、この変電所もお約束通り3本線が2セット、つまり2回線で電力会社から受電している事になります。

こちらはJR東海の原変電所です。こちらの変電所も電力会社からの高圧線は地中配線になっていて、変電所内で立ち上げられています。
写真では3本線の1セットにしか見えませんが、写真右側に写っている金網の先で同じように地中から立ち上がっていてコチラも2回線受電になっています。

下の写真はJR東日本保土ヶ谷駅脇にある変電所です。この変電所も柿の木坂変電所と同じように、ほとんどの機器が屋内に収容されています。そして、この付近では鉄塔が見当たりません。

改札を出てこの変電所のそばへ行くと、道路に下の写真のような物が埋まっていました。もうおわかりですね。
むやみやたらに道路を掘削されると大変な事になるのと、管理上このようにしているのだと思います。

受電設備のまとめです。
1.3本線が2セットで受電する。
2.近くには電力会社の高圧線がある。
と言う事です。ただし、必ずしも2回線受電とは限らず、地方中小私鉄では1回線受電もあります。
模型に目をやると、トミックスの変電所はおそらくこの部分が受電設備と思われます。これでは1回線受電なので、この変電所では大都会10両編成がバンバン走る鉄道には向きません。

っと言っても、トミックスの変電所を全くダメだししているわけではありません。素材としては良い物が揃っています。うまくミックスさせて都会風変電所に仕上げたいと思います。
早速門型柱を2個作りました。真ん中の柱は1本は、なんとなく「要らなさそう」なので気が向いたらニコイチにするかもしれません。

-つづく-