マルチプルタイタンパー【東海道貨物線にて遭遇】

マルチプルタイタンパー

先日大船駅にて、東海道貨物線でマルチプルタイタンパー(マルタイ)による搗き固め作業が昼間行われてたので、ちょっと観察しました。マルタイは編成で作業を行うため、直ぐ後方にはバラストを正整するバラストレギュレータの作業車も続いています。
マルタイ作業のルールなどは先日の記事をご覧ください。

マルチプルタイタンパー【マティサ社製B50】

マルタイはほぼ2社で全世界のシェアを独占しており、コレはスイス・ローザンヌにあるマティサ社製のマルタイB50形です。マルタイはこのほかに模型でもでているオーストリアにあるプラッサー&トイラー社製もありますが、歴史的にはマティサ社が一番最初にマルタイを製造しています。ただ、世界シェアでは現在はプラッサー製が大半を占めています。

コチラが後方になります。奥がマルタイ本体で、後方は検測台車になっています。少数派のマティサ社製ですが、知り合いのマルタイオペレーターの話では、マティサ製の方が言うことを聞いてくれるそうです。

ルール通り起点方(東京側)から作業がおこなわれています。タンピングツール部は防音装置が下ろされています。スイスの写真でしょうか。

検測台車は2軸の板バネで貨車のような構造です。

バラストレギュレーター【プラッサー&トイラー社製KSP2002】

コチラは、マルタイ作業後道床の締め固め、砕石整理を行うためのバラスト正整車です。道床砕石がしっかりと成形されている区間では、前面下部でハの字上のプラウは作動していません。

花柄が描かれているため、模型で再現するにはインレタなどがでてくれないと不可能に近いです。

スタビライザーやコンパクターで道床の転圧締め固めをおこないます。後方にはスーパーはぼきのようなブラシが付いていて、回転しながら枕木上の砕石を片付けていきます。

後方作業

この辺は鉄道事業者によって採用が異なります。

建築限界定規

コチラは下部の建築限界定規になります。コロコロと転がして作業後建築限界内に物がないか、資機材の忘れ物がないかを確認します。曲線区間になると偏倚量を計算して限界を広げることが出来ます。

トラックマスター

マルタイの検測台車と同じような感じですが、一番最後に軌道の仕上がり状態を確認する機械です。コチラも手押しでコロコロと転がせていきます。

データをSDカードなどに書き込ませて、事務所のパソコンで読み出して数値を管理します。以前は数10kgありましたが、最近は軽量小型で大人2人で持ち運び出来ます。

東海道貨物線で作業が行われていたたため、貨物列車は旅客線を走行していきました。

マルチプルタイタンパー前作業【軌道検測作業】

マルタイ前にやること

マルタイに向きがあることは前回のブログで書きましたが、マルタイを走らせる前に線路の状態を予め調査、把握して設計値を出しておく必要がありそれが軌道検測作業です。手検査で調査する方法と、軌道検測車やモーターカーを用いて調査する方法があります。

軌道検測車による検測

マヤ車などで線路の状態を検測するのが一般的に思い浮かぶ軌道検測作業です。10mの間にどの位軌道のズレがあるかを調査します。興味のある方は10m正弦矢で調べてみて下さい。

▲真ん中の台車が検測台車と勘違いしてる人が多いですが、3台車とも検測台車です.

時代は変わりJR東日本では、East-iことE491系が電気と軌道の検測を行っています。クハE490が軌道検測車ですが、技術の進歩により2台車で検測を行い、演算により軌道のズレを算出しています。

民鉄でも軌道検測車が無い事業者はかつてはJRよりマヤ車を借りて検測したり、自社で検測車を用意して作業する事業者もいます。軌道検測車がある鉄道事業者はそれがマルタイ作業前のデータになります。

東急の軌道検測車は民鉄が導入している軌道検測車のなかでは、3台車を採用している軌道検測車です。

以前の東急は国鉄からマヤ34を借り入れて検測をしていました。東急では戦前にマヤ39900を鉄道省から借り入れ検測を行い、昭和23年の技術博覧会にむけて吉池化研と共同開発した検測車を出展した経緯があります。

工事車(モーターカー)による軌道検測

軌道検測車を持たない事業者では、たいてい工事車(モーターカータイプ)の検測車を保有しておりそれで調査をします。写真のは3軸単台車の軌道検測車で、自走可能です。

▲3軸単車のかなり特殊なタイプです.

最近では、装置がかなり小型になり写真のような牽引タイプの検測車というか、検測装置が出ています。

上から見るとトロ台車に蓋がかぶせてあるような構造です。

自走はできないので、モーターカーにより牽引されます。モーターカータイプでの検測は最高速度が時速35キロ前後なので、100キロ前後で走行する列車の動揺を再現記録するのはほとんど不可能です。その場合は、保線区員が列車に添乗して肉体的な「カン」で調査しています。

皆様の鉄道会社におかれましては、GMのマルタイを所有してマヤ34やE491系も所有しているなら優秀な鉄道事業者です。もし、軌道検測車がまだ導入されていないなら、モーターカータイプがあると言う設定にしてしまえばOKです。

ちなみに、モーターカータイプも所有していない場合は、保線区員が水糸を張りながら10mごとに検査をしていきますが、路線延長が長い事業者ではちょっと無理があります。

マルチプルタイタンパー【GM製模型の遊び方】

マルチプルタイタンパー

グリーンマックスことGMから一世を風靡して発売されたマルチプルタイタンパー(マルタイ:MTT)ですが、タダ走らせるだけではちょっと飽きてきた頃だと思われます。模型に有益となる知識をちょっとだけ書いてみます。

今回の記事では鉄道車両と同じようにマルタイにも編成の向きがあり、線路に載せるときの原則的な約束事を書いていきます。

結論から書くと、マルタイ本体側の運転台は原則として下り方向を向きます。以下解説を書いていきます。

マルチプルタイタンパーの役割

マルチプルタイタンパーとは、線路にある砂利を突き固め、ジャッキによりレール面の高さをそろえたり、砂利を突き固めることににより線路のクッション性をよくするための保線車両(保線機械)です。

マルチプルタイタンパーは、言い方が長いのでマルタイと略したり、現場ではアルファベット読みの略語MTTを更に略して「エムテー」などと呼ばれています。

プラッサー&トイラー 09-16CSM

GM製のマルタイはオーストリアにあるプラッサー&トイラー社製のマルタイがモデルになっています。その中でも09-16と言うタイプが製品化されています。プラッサーの工場はコチラをご覧ください。

最初の09は形式名でE231系などと同じ意味です。ハイフン以降の16は突き固めを行うツールというツメが16本あるという意味です。

枕木1丁当たり16本ツールが必要なため、32本だと枕木2丁分突きます。16は日本ではポピュラーなタイプです。

保線車の塗色は一昔前までどの事業者も黄色1色でしたが、近年は各社事業者のコーポレートカラーなどに合わせたカラフルなマルタイが増えています。コチラは相鉄のマルタイですが、後述する模型と同じくマテリアルワゴンを連結しています。

▲相鉄の09-16マルタイ.

マテリアルワゴン(後方台車)

マルタイ本体のほかに、運転台の様な車両がセットになっていますが、コチラはマテリアルワゴンと呼ばれる車両で、直訳すれば材料車両となります。欧州では車両1両ごとをワゴンと呼びます。

マテリアルワゴンは後方台車、検測台車などと呼ばれ、マルタイ作業後の線路の仕上がり(平面性、水平性)を検測する機能を搭載していたり、脱線時の復旧機材を搭載していたりします。マテリアルワゴンは、鉄道事業者によっては導入しない場合もあり、マルタイ本体部分1両だけ遊んでも問題ありません。

模型のは検測装置のほか、回送用運転台を装備しています。上の写真にある相鉄のマテリアルワゴンに似て居ます。床下の工具箱とかはオプションなので事業者によりことなります。

コチラはJR四国の09マルタイですが、マテリアワゴンは採用されていません。トップ画像にある東急のマルタイもマテリアルワゴンはなく、マルタイ本体だけで線路を走らせても問題ありません。

▲JR四国の09-16.

マルチプルタイタンパーの向き

モーターカーをはじめとする保線車は、特に気にせず載線できそうなイメージですが、マルタイは原則下り向きの決まり事があります。

マルタイには向きがあった!

モーターカーには転車台という、車体を反転する機能があるため、上り向き、下り向きと言う概念はありませんが、マルタイには向きがあります。

ズバリコレ。ワーキングディレクションつまり作業方向と矢印が書いてある通り、突き固め作業は一方通行となっています。

どこに書いてあるかと言うと赤丸の部分です。

コチラは東武の09-16マルタイですが、車体デザインにも青と赤の矢印で作業方向がデザインされています。右側が起点の下板橋側になります。

コチラはJR東日本保土ヶ谷基地にいる09-16で、コチラも車体デザインに矢印が用いられていて、写真手前側が神戸、久里浜方となります。

ちなみに、最後部と掲げられているのは、バラストレギュレータと編成を組んで帰路を走行してきたとき、コチラ側が最後部になっていたからです。前夜は保土ヶ谷より終点方で作業を行っていました。

しかし、冒頭の相鉄マルタイは右側が起点の横浜になり、上り方向が作業方向になっています。

下り方向を向かせる理由は、マルタイには、ジャッキでレールを持ち上げてそこに砕石を突き込む様な作業を行うため、物理的に作業方向がきまっていること。次に、コンピュータにキロ程と共に線路諸元(曲線半径や継ぎ目の位置)が入力されていてそれを起点側から足し算にした方が処理をしやすい、などが理由です。

下り方を向いている理由は鉄道事業者の考えによる部分もありますが、そもそも本支線が入り乱れている(西武など)ため起終点が反転している場合や、最初に導入したマルタイが上り方向を向いていたためそれに合わせたなどの理由が挙げられます。

09マルタイのデザイン

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GM整のマルタイは、前面はダイヤモンドカットデザインで窓が3枚あるタイプです。

同じ09-16シリーズでも、前面下部の視認性を向上させたこのようなデザインのマルタイもあります。キャビンの部分もある程度選べるため、鉄道事業者の要望で変更することができます。

西武鉄道に導入された新型の09-16マルタイもこのような形状です。

レイアウト上でマルタイを載せるとき、プロトタイプとなった路線にマルタイがいた場合は、どちら向きになっているか調べてから線路に配置するとよりリアルになります。