変電所のお話-その8最終回-

やっと最終回になりました。今回は建物の出口から「き電線」っとなっている架線への部分と忘れがちな肝心な部品の説明です。

建物の中には整流器のほか計器類や、直流の高速度遮断器など故障を検知し遮断する機器類がはいっています。下の写真は直流鉄道変電所内部の操作盤です。2系統で受電し、3回路に分かれているのがわかるでしょうか?ちなみに受電部分の左側LEDは赤色で右側は緑色になっており左側の回線のみ通電している事を示しています(赤が通電)。
遮断器の後3回線になり左側2回線はき電線へ、右側は信号高配線になっています。手前のボタン類は遮断器などの操作をするためのスイッチです。
左下には新幹線で使用しているような電圧計があり、受電電圧などを表示しています。

こちらは直流高速度遮断器です。電車でオーバーロードや何か不具合があった場合この遮断器が動作し、架線電圧を落とします。

さて、建物などを見てみましょう。下の写真はJR小田原駅に併設されている変電所です。建物はちょっとかわいい作りです。

建物の左側をよく見ると配線が出ています。これが変電所からき電線への出口部分です。絶縁被覆されたケーブルがそのまま壁から出てきています。
建物から出たケーブルは架線柱のビームへ行き架線に接続されています。ケーブルの本数は大抵、起点方、終点方の上下線別で4本、それに中立区間、つまり故障時に構成されるデッドセクション区間がある場合は更に2本増え6本出る事になります。

更に拡大すると6本のき電線が出ているのが分かります。

こちらはJR東日本保土ヶ谷変電所です。横須賀線、東海道線へ供給されています。こちらも壁から配線が出ていますが、本数は確認できません(^^;
また、変電所前では4脚柱などと呼ばれる架線を2組接近させ、ロの字に組んだ物が多く用いられています。

こちらは東急柿の木坂変電所です。真ん中の柱はき電線の開閉器になっていて、柱の中ほどの部分へ建物から出たケーブルがまとまっているのがわかります。

ここの変電所は電車線区分標とデッドセクション区間が見当たらないので、起点方終点方へのT型送電のようです。鉄道ピクトリアルによると東急は上下一括き電方式を採用している記事があるため送り出し本数は2本だけのようです。
こちらは4脚柱ではなく、変圧柱の変圧器抜きのようなものに立ち上がってます。

こちらは地中配線の東武鐘ヶ淵変電所です。右の太いトラフがシリコン整流器から出て変電所建物へ入る配線です。建物から出た配線は左の部分に写っているトラフで、鉄柱の下から立ち上がり露出しています。

そして架線柱のビームからき電線へ接続されています。下の写真だと変電所から出たトラフがグルリと周って来ているのがわかります。
ピクトリアルによると東武は上下線別き電方式を採用しているようですが、場所によっては上下一括き電方式の様です。

こちらは上信電鉄福島変電所で、建物から2本の線が出て開閉器を通りき電線へ接続されています。単線でデッドセクションが無いため起点方、終点方への2本だけのようです。

こちらの写真はJR西日本倉敷変電所の建物からき電供給線が出てきた部分です。建物から出た線は右側の鉄柱に一度立ち上がります。

鉄柱を反対側から見ると、右奥に6本出ているのがき電線で、手前の沢山ある線は信号高配線です。信号高配線は大抵絶縁被服ケーブルでトラフ配線され、変電所前の架線柱から立ち上がっていますが、ココではこのようになっています。
模型では倉敷変電所の様にしなくても大丈夫で、派手にやりたい方向きです。写真右側に線路があります。

線路に隣接して建物がなく、道路を挟んだ向こう側に変電所がある場合はこのように架空線で線路用地へ飛ばしています。こちらは小田急湘南台変電所です。

さて、変電所から出た電気は架線に接続され電車を通り、レールを通って変電所へ戻るわけです。で、変電所へ戻る電気はどうなっているかというと、インピーダンスボンドを介して戻ります。
この写真は、小田急湘南台変電所前にあるインピーダンスボンドです。

インピーダンスボンドは信号機の付近や軌道回路の切れ目にあり、交流と直流を分ける役目をしています。そのほかにも設置されている場所はありますがその辺はまたの機会に。
レールの信号電流はそのまま流し、直流の電気のみ変電所へ戻るようになっています。こちらの写真は柿の木坂変電所前です。

こちらはJR東日本保土ヶ谷変電所前です。

変電所の前には必ずと言って良いほど、インピーダンスボンドがあります。ただ、Nゲージではインピーダンスボンドは出ておらず、トミックスのフィーダー部分に彫刻されている程度で、今後どこかのメーカーから出るのを期待しています。
マイクロエース辺りが変電所ストラクチャーやると面白いかなぁ?なんて言うのが個人の感想です。シキの積荷作っているくらいですし・・・
総まとめ
1.受電   都市部では2回線受電
地方でも基幹変電所は2回線受電
2.断路器1 2回線受電の場合は2セット
3.遮断器  基本2個、ただし鉄柱で母線を組む場合は1個でも可。
4.遮断器2 トランスが2個以上の場合はそのセット数
5.トランス 都市部では3個、地方でも2個
(内訳はき電と信号高配)
一番上の写真で操作盤が写っている変電所で言うと
2回線受電、断路器2セット、遮断器1個、断路器3セット、トランス3個となります。
さてさて、これで変電所のお話はおしまいです。皆様の変電所製作のお役に立てればと思い、模型に関わる部分を中心に書いてみました。
ヘッポコ鉄道の変電所はいつできることやら・・・

北陸・金沢今回の小ネタ

今回の旅行で小ネタを・・・

車両では無く乗車券です。ヘッポコ工場長が持っていた乗車券は山科から東海道線で東京都区内となっていまして、最終日は大阪から新大阪乗り換えの新幹線で帰宅しました。
なので、大阪-山科間の乗車券を別途購入しなければなりません。下の写真は大阪駅の運賃表です。山科駅まで820円なのでこの乗車券を購入しなければなりません。

が、下の乗車券ご覧の通り京都までの540円と京都-山科間の180円で720円と100円お得。

大阪-京都間は特定運賃となるため、こういう場所は首都圏を中心に沢山ありますが、一番驚いたのがこの提案がみどりの窓口の駅員さからあったという事です。大変お得に乗れました。なので、発行駅はちょっと隠してあります。
発券番号が連続しているのでおわかり頂けると思います。
一番上の乗車券に新幹線の自動改札入場記録があるように、上の2枚と一周乗車券、そして下の写真にある特急券と4枚自動改札機に入れてゲートが開きました。
今回はJR東海のグリーン特典プログラムを利用しポイントでG車乗ってきました。なので内訳欄のグリーン料金部分が0円になってます♪

小ネタでした。

北陸・金沢へ-その4最終-

さて、翌朝は金沢駅5時59分発の列車に乗り津幡経由七尾駅を目指します。金沢始発で出庫してきたのはこの青いヤツ・・・これで津幡駅まで向かいます。夏場はこの時間から活動できるので嬉しいです。

車体は青いですが、車内はまだ若干国鉄の雰囲気がありました。

津幡駅で下車します。何となく国鉄時代によく見かけた地方都市駅の雰囲気が残っています。

改札周りも良い雰囲気が残っていました。

30分ほどうろつき、115系415系(同僚A氏より指摘)七尾線の七尾行きが来ました。中はアコモ改造されています。平日ラッシュ時間帯に当たったため、津幡駅から乗った時は1ボックスに1人程度の埋まりでしたが、途中駅から高校生が沢山乗ってきて終点の一つ手前、徳田駅まで大変な混雑でした。

終点七尾駅に到着です。

のと鉄道に乗車し、能登中島駅へ2連の列車で向かいます。(写真は帰りに撮影)

70キロくらいの軽快な速度でのと鉄道を堪能。15分ほどで能登中島駅に到着。目的のオユ10は結構ボロボロです。

能登中島駅は木造の良い駅舎でした。

七尾駅に戻るとまたまた派手な115系が居ました。

ここからは和倉温泉発大阪行きのサンダーバードに乗車します。

今回の乗車券は大阪駅までは入っていないため、京都駅までの乗車です。3時間の長旅なのでG車にしました。

6両編成のため金沢過ぎた辺りから普通車はそこそこ混むかと思いましたが、普通車も含め比較的ゆったりとした感じです。

牛肉弁当をほおばりながら景色を堪能してます。

北陸トンネルを出て琵琶湖が見えてきましたが、にわか雨があったようでどんよりとした空になってました。

京都駅に定刻に到着。湖西線ホームには緑色の113系・・・これもちょっと・・・

乗車券は湖西線から山科経由東海道線となっていて京都駅は含まれていませんが、分岐駅通過特例で京都駅までは乗車できます。でも京都駅では途中下車できないので山科駅に戻って途中下車。

山科駅からは改札向かいの京阪線に乗り換えます。

4両編成のうち両先頭車がこういう座席配置で景色も楽しめます。

っと言うわけで、このあとは三条から京阪本線に乗り換えて大阪の街を目指し、常宿へ向かいました。
翌朝は毎度の阪神に乗りふらふらと・・・最近よく利用する小田原停車のひかり号で帰宅となりました。
新大阪駅新幹線ホームでは新ホームがずいぶんと形になっていました。

で、小田原駅からは踊り子号の自由席に乗車します。比較的空いている修善寺編成に乗ると、こちら側だけリバイバルカラーとなっておりました。

今回も長々とお読みいただきありがとうございました。